ヒット商品番付

SMBCコンサルティングでは1989年から毎年、象徴的な出来事や流行した商品からその年の特徴や傾向を振り返る「ヒット商品番付」を発表しています。
「会社に入社した年」や「生まれた年」など、思い出の年の世相に触れ、当時に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

2023年

新たな時代の兆しが見えた1年
~New Lifeの幕開け~

2023年は新型コロナウイルス感染症の影響から脱した1年であった。5月8日に「5類感染症」へ移行したことから国内の人流は活発化。インバウンドも2019年のコロナ前に迫る勢いであり、コロナ後の経済活動が順調に回復しつつある様子がうかがえる。しかし一方で、為替市場では、10月以降ドル円レートが1ドル150円台を付けるなど、再び歴史的な円安水準と…

2020年以降

2022年

新時代を模索した1年
~混沌とした情勢下での挑戦~

2022年は前年、前々年から引き続き、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた1年だった。東京都では1月22日に感染者数が初めて1万人を超え、その後も高止まりが続いた。一方で、多くの感染者は軽度から中等度の症状であり、社会は徐々に行動制限解除の方向へ進んでいった。それに伴い、ゴールデンウィークや夏休みは3年振りに行動制限のない…

2021年

次なる一歩を踏み出した1年
~東京2020、コロナ禍を越えて~

新型コロナウイルス感染症の影響が続いた2021年。延期されていた「東京2020オリンピック・パラリンピック」が7月23日に開幕し、日本は金メダルをオリンピックで27個、パラリンピックでは13個獲得するなど大きな成果を残した。日本人選手たちの活躍は、コロナ禍で抑圧された人々の心に感動を与え、活力を生み出す力となった。また、人々に力を与えたのは…

2020年

「New Normal」への挑戦
withコロナ時代で変わるもの、戻るもの

2020年は物事が大きく変わる年であった。そのきっかけの一つとなったのが、新型コロナウイルス感染症の拡大だ。WHOは1月30日に「国際的な緊急事態」を宣言。世界各国が新型コロナ対策に追われることとなった。日本では、全国すべての小中高校への臨時休校要請に始まり、4月には新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言が発出され…

2010年~2019年

2019年

平成から令和へ
変化する生活スタイル、進化するサービス

4月30日に明仁天皇が退位され、徳仁皇太子が即位。国民の祝賀ムードの中、元号も平成から令和へと変わり、新しい時代が幕を開けた。国内では、来年に控えた東京オリンピック・パラリンピックに向けた準備が急ピッチで進められ、さまざまな関連イベントも催されたほか、日本がホスト国を務めたラグビーワールドカップ2019において日本代表チームが躍進…

2018年

平成最後の年、未来への希望が芽生えた1年

2018年は、翌年4月30日に天皇陛下の退位が決まったことにより、実質的に平成最後の年となった。また、地震や台風、夏場の猛暑など度重なる自然災害に見舞われた年であった。日本経済は、総じてみれば緩やかな回復傾向を維持し、12月には景気回復局面の長さが戦後最長(73カ月)に並ぶ見込みである。家計や企業の所得・収益環境は総じて良好で…

2017年

次世代に備えた準備期間
生活スタイルの転換を促す商品たち

前年11月に劇的勝利を収めたドナルド・トランプ米大統領の動向に注目が集まった2017年。環太平洋パートナーシップ(TPP)協定やパリ協定からの離脱に加え、北朝鮮へ強硬姿勢を見せるなど、日本にとっても地政学的リスクの高まった年であった。日本経済においては実質GDP成長率が7四半期連続でプラス成長し、日経平均株価は11月9日に取引時間中として…

2016年

過去の蓄積が未来につながった1年

2016年は前年に続き、今後の社会や経済に大きく影響を与える出来事が多く見られ、まさに昨今言われる「VUCAの時代」を象徴する1年であった。例えば、1月下旬に日銀政策決定会合で「マイナス金利」の導入が決定。6月には来年4月実施予定の消費税10%への引き上げが2019年10月まで延期された。また、東京五輪のコスト見直し、築地市場の豊洲移転の延期…

2015年

戦後70年
~時代の節目~

戦後70年を迎えた2015年。今後の社会や経済に大きな影響を与える出来事が多く見られ、時代の節目を感じさせる1年であった。例えば、9月には、集団的自衛権の行使等が盛り込まれた「平和安全法制関連2法」が成立した。これにより、従来の安全保障に対する方針が転換されることとなり、成立を巡って世の中で議論が巻き起こった。また、公職選挙法等が…

2014年

ニッポン躍進へ
~次のステージを予感させる材料の数々~

2014年の日本経済は、消費増税前の駆け込み需要による好況から一転、4月の8%への引き上げ以降は、その反動減から消費マインドが低下し、GDPは2四半期連続のマイナス成長となった。日本銀行による追加の金融緩和等で日経平均株価が07年10月以来となる1万7,000円台を回復するなど明るい話題もあったものの、景況感は総じて薄曇りが続いた。国外に目を…

2013年

ニッポン復活への期待
~プレミアム感・機能性を訴求し新たな消費を創造~

2013年の日本は、第2次安倍内閣の経済政策アベノミクスの効果が感じられた1年であった。今年1月の「日本経済再生に向けた緊急経済対策」に伴う公共部門への投資拡充に加え、4月の「量的・質的金融緩和」政策の導入などにより、株価上昇の影響を受けた堅調な個人消費等が景気回復に繋がっていると考えられる。実際、東証一部上場企業の時価総額は…

2012年

日本の力を見つめ直す
~世界が認める技術の数々~

2012年は、震災による復興需要が景気を下支えしたものの、エコカー補助金終了等により個人消費は盛り上がりに欠け、海外経済の変調の影響を受けて企業の設備投資や生産も弱含みで推移。加えて、欧州債務危機に起因する新興国経済の減速を受けて輸出は大幅に減少、7-9月の段階で既に景気後退局面に入っている可能性が出てきている。外交では…

2011年

復活につながる勇気と元気
~2年振り横綱復活~

3月11日に発生した東日本大震災は、日本の観測史上最大のマグニチュード9.0を記録し、津波も含めた被害規模は甚大なものとなった。また震災によるサプライチェーンの寸断や自粛ムードの拡大、電力供給の制約、原発事故による放射性物質の拡散等は、日本経済に広く影響を及ぼした。その後、サプライチェーンは急速に復旧し、夏ごろには企業の生産活動…

2010年

話題は大きくヒットは小粒

2010年は、政治、外交面で様々な出来事があった。年明けに開幕した国会は「政治とカネ」がテーマとなり、6月には鳩山首相が電撃辞任、7月の参院選は民主与党が大敗し衆参でねじれ国会となった。外交面では、9月、尖閣諸島沖の衝突事件が発生、以降、ガス田交渉の延期、中国地方部で反日デモ続発、レアアース輸出制限等、中国との外交問題が…

2000年~2009年

2009年

『節約消費』が拡大し、官製特需に沸く
~2年振りの横綱復活!~

景気の低迷が深刻化するなかで年明けを迎えた2009年、消費者の生活防衛意識は一段と深まった。消費者が支出の対象を厳選し、価値を認めた商品のみを購入する「節約消費」の傾向を強めた結果、個人消費は全体として盛り上がりに欠けたものの、「お買い得」「環境」「安全・安心」「交流(つながり)」など消費者のニーズにマッチした商品の売れ行きは…

2008年

生活防衛意識の中、『選択と集中』が進む

2008年は、景気減速、原油高、金融信用不安に加え食の安全の脅威が襲い、消費者に生活防衛意識が芽生えた。そこで浮ついた消費マインドを引き締め、生活の原点に回帰し、「商品」「ブランド」「買う場所」を根本的に見直して選択し、「収入」と「時間」を集中した。そこで、改めて見直されたのは「家庭」であり、消費は「家チカ(家の近く)」や…

2007年

閉塞感を抜け、明るく消費を楽しむ時代に

2007年は景気回復感が広がり、消費行動にも明るさが垣間見えた年となった。消費者は安定より変化を求め、前年の『顧客価値創造』という流れに乗り、ちょっとした贅沢を味わう『プレミアム』指向が定着。また個人消費の多様化・細分化に対応して、他企業などと提携してシナジーを狙う商品が急増。小粒ながら、連打で売上を伸ばす『イチロー型商品』が…

2006年

新たな顧客を創造した商品が名を連ねる

2006年は、緩やかな景気回復が持続したにもかかわらず、個人の消費行動の多様化・細分化が進んでおり総じてヒット商品が小粒になり、番付においても西の横綱が「該当なし」、東の大関が「休場」となった。そのなかでヒット商品番付に名を連ねた商品を見ると、「新たな顧客の創造」というキーワードが見えてきた。今年、他を寄せつけず一人勝ちした…

2005年

愛知とアキバが熱かった1年

2005年は、景気の回復基調がはっきりしてきたにもかかわらず、個人の消費行動が多様化し、各分野の競争も激化したために大型のヒット商品は現れなかった。しかしそのようななかでも、愛知とアキバが情報の発信地として熱かった1年だったといえる。「自然の叡智」をテーマに掲げた愛知万博は、当初目標の1500万人を大きく上回る2200万人の来場者があり…

2004年

「還流」商品ヒットの年

2004年は、長期的な景気低迷からは脱却したものの、度重なる台風の上陸や新潟県中越地震などの天災に見舞われ、前年に引き続いて大型ヒット商品が少ない1年だった。そのなかでも純愛、伝統などに回帰する「還流」商品がヒットするという傾向がみられた。今年一年、日本中をフィーバーの渦に巻き込み大きな社会現象になったのが『冬のソナタ』と…

2003年

今、この瞬間の感動を共有できる商品

2003年は、経済に若干明るい材料が出てきたものの、不透明な雇用・所得環境や先行きの不安などから、個人消費は今ひとつ盛り上がりに欠けた。このため大型のヒット商品の少ない1年となったが、小粒ながらヒットした商品には、今、この瞬間の感動を共有できる商品という傾向がみられた。大型ヒット商品不在の番付のなかで大健闘し、みごと横綱に…

2002年

一つずつ夢を実現することが不況脱出の近道

2002年は、前半には景気回復の兆しが見られたものの、その後、アメリカの景気回復の遅れや日本国内の構造改革の遅れなどから、後半には株価も大幅に下落し、本格的な景気回復の足音が遠のいてしまった。このような経済環境のなかで個人消費も盛り上がりを欠き、大型のヒット商品が少ない一年となった。しかし、それぞれは小粒ながらも、今年の番付…

2001年

すべてが変わろうとする「はじまりの年」

21世紀幕開けの年 2001年は、アメリカで起こった同時多発テロが世界的な景気の減速に追い討ちをかけ、個人消費も盛り上がりを欠いた混迷の年になってしまった。ただ日本国内では、小泉内閣が構造改革を打ち出し、変えなければならないと思いつつもそのまま先送りされてきたさまざまな課題が、ようやく変革に向けて動き出した1年でもあった。景気の…

2000年

20世紀型ヒット商品の次に来るものは?

20世紀最後の年2000年は、景気が緩やかな回復軌道をたどったものの、個人消費は総じて低調に終わり、「ヒット商品番付」も去年に続き横綱不在となった。この背景には、なかなか改善に向かわない雇用・所得環境や高齢化社会を控えた先行きの不安感などがあるが、もっと深いところで、人々が20世紀型の消費行動やヒット商品に疑問を感じ始めたことが…

1999年以前

1999年

21世紀型ニューカテゴリー商品の「胎動」

1999年は、景気がようやく上向きに転じたものの、リストラや公的負担の増大などからくる先々の不安感のため、個人消費は総じて盛り上がりを欠いた。このため、もう一息で横綱というヒット商品はあったものの、マーケット全体の低調さに引きずられて横綱昇進が見送られ、昨年に続いて横綱不在の年となった。ただその一方で、21世紀を予感させる…

1998年

消費新時代幕開け前夜の「型破り商品」

戦後最悪の不況のなかで個人の消費マインドも著しく冷え込んでしまった98年は、当番付でも5年ぶりに横綱不在の年となった。そのような逆風にも負けず大きく売り上げを伸ばしたヒット商品の特徴をみると、「感動」「形」「中味」「売り方」などにおいて従来の常識や規格を打ち破った「型破り商品」が目立った。不況の暗いトンネルの向こうにある…

1997年

「こどもっち型ヒット商品」消費を励ます

欲しい!欲しい!と子供がねだっても、品切れでどこに行っても買えない。「たまごっち」は買ってあげられずに右往左往する親たちを巻き込んで、爆発的な大ヒットとなった。1997年は、消費税率引き上げなどの影響から個人消費が低迷し高額商品が番付から姿を消した反面、「たまごっち」に代表されるように小粒ながら記録的な大ヒットとなった商品が…

1996年

キーワードはI.S.D.N

景気回復の足取りが鈍り、夏にはO-157による食中毒騒ぎも発生した1996年は、特に耐久消費財にこれといった大型のヒット商品が見当たらず、全体としてはヒット商品不作の年となった。そのなかでもよく健闘した商品は、携帯電話やPHSなどの通信情報関連の機器、こだわりや好奇心を満足させる身近な等身大の商品、安全や自然を志向した商品などであった…

1995年

モノから機能へ「生活達人」御用達商品

阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件など予期せぬ大災害に見舞われた混乱の1995年は、ようやく次の時代のヒット商品の姿が見え始めた1年であった。しかし、新しい主役の姿はなお漠然とする。なぜなら従来の商品がモノとしての明確な形をもっていたのに対し、新しい主役たちは形よりも機能としての存在価値をもつからだ。その機能を十分に発揮させることができる「生活達人」たちがこれらを手にしたとき、新しい主役の姿がはっきりと見えてくる。

1994年

破壊と創造の“モザイク模様”

猛暑効果はあったものの全体としては一進一退の景気が続いた1994年。流行語にもなった“価格破壊”は、規制や旧来の仕組みを打ち壊してしまう勢いだった。一方で“新しい価値や関係を創造する芽”も着実に成長。携帯電話などパーソナルな情報端末が普及し、まだ実像は定まらないもののマルチメディアも大きなブームになった。中国や東アジアとの新しい関係づくりも本格化した。破壊と創造がモザイク模様に現われたのが、大きな特徴となった。

1993年

不況のなかで健闘目立つ「ニューカテゴリー」創造型商品

景気回復の出口が見えなかった1993年は既存の枠組み(カテゴリー)の範囲内の製品ではなく、新しい枠組みをもつ商品やサービスに人々の関心が集まった。これら「ニューカテゴリー」創造型商品には、既存商品への不満を取り除く「不満解消力」、一過性のブームではなくグループや競争ブランドを形成しうる「中核能力」が共通点としてあった。また、「安全・安心・安楽・安価」を優先する消費行動が目立った一方で、現代社会で失われかけたものに対する「再発見」にも関心が集まった。

1992年

消費低迷のなか「割・環・自・粋」型商品が健闘

戦後最悪とも言われた不況のまっただ中となった92年は、大型ヒット商品は見当たらず横綱不在の年となった。そのなかで健闘をみせたのが「割・環・自・粋(わりかんじすい)」型商品。すなわち「割」=割安感、「環」=環境への配慮、「自」=自分らしさ、「粋」=気取らない本物の良さを訴えた商品であった。基本性能、基本的ニーズを重視する傾向、あるいは手軽さ、気楽さを求める傾向が強まり、いたずらに豪華さを求める、うわついた消費は影を潜めた。

1991年

時代のターニングポイント、「R」がキーワード

長らく続いた大型景気が下降局面に入り、時代のターニングポイントを迎えた91年のキーワードは「R」。第一は、過去を見つめ直し、それを現代風に再現させたRevival&Recurrentな商品、第二は生の映像や情報をいち早く取り入れ現実を直視するReal、Real TimeあるいはRecentな商品、第三は品質と価格との間に納得性のあるReasonableな商品である。

1990年

E型商品全盛へ突入の年

1990年のヒット商品はハード指向よりもソフト指向が目立った。キーワードは「E」。生活のなかに楽しさを求めるEntertainment、技術革新が進むElectronics、地球全体の資源・環境保護を考えるEcology&Environment、成熟社会を彩るEnrichmentといった分野の商品が注目された。東の横綱は東京都葛西臨海水族館や天保山ハーバービレッジなどの大型水族館に代表されるニューエンターテイメントセンター、西の横綱は「花の万博」。西の大関は人間的なきめ細かい制御が特徴のファジー家電だった。

1989年

昭和から平成へ、新時代のヒット商品番付

平成最初の年である1989年のヒット商品は、ビッグなものはよりビッグに、ハンディなものはよりハンディに。 3年続きの消費景気のなか本格志向の商品がずらり上位に並んだ。
(注)本番付は、大相撲の番付の形式を採用しているため「東」と「西」に分かれていますが、選ばれた商品と地理的な東西の関係は一切ありません。対象は、個別の商品に留まらず、一定のカテゴリーの商品群や人物・社会現象等を含みます。また、番付の順位は、出荷台数、売上高等の実績だけでなく、マーケットに与えた意義やインパクト、今後の成長性等を総合的に判断し、決定したものです。