2005年ヒット商品番付 愛知とアキバが熱かった1年
成功した愛知万博とさまざまな話題を提供したアキバ
「自然の叡智」をテーマに掲げた愛知万博は、当初目標の1500万人を大きく上回る2200万人の来場者があり、大成功のうちに閉幕した。愛知万博協会が試算した経済効果は7兆7000億円に及び、公式キャラクター「モリゾー&キッコロ」を中心としたライセンスビジネスでも大成功をおさめた。また産業面で愛知県は、製造品出荷額日本一、有効求人倍率日本一、花き総産出額日本一など、今、日本で一番ホットな地域である。
一方アキバは、つくばエクスプレスの開通、ヨドバシカメラマルチメディアAkibaの出店、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」から生まれた『電車男』の大ヒット、アキバ系オタクと呼ばれる人たちの台頭、メイド喫茶の繁盛など、さまざまな話題を提供した。
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情報発信を始めた個人
個人の日記風ホームページであるブログが爆発的に広まっている。最大手「MIXI」の会員数が100万人を超え、その他の大手運営会社の会員も軒並み数十万人の規模になっている。年齢も下は小学生から上は高齢者まで、老いも若きも毎日のように自分のブログを更新している。普及の最大の理由は、ホームページを作る知識がなくても簡単に開設することができる敷居の低さにあり、新しい情報発信ツールを手に入れたことで、個人がどんどん情報を発信し始めている。
快走する「iPod」
昨年もヒット商品番付の関脇にあげられたアップルコンピューターの「iPod」は、今年に入って驚くほど小型の「iPod shuffle」、「iPod nano」、ビデオも再生できる新型「iPod」と次々と新製品を発表して他社製品を圧倒した。また、音楽配信サービス「iTunes Music Store」も、8月に日本語版のサービスが開始されると同時にダウンロードが殺到し、まさに「iPod」ファミリーがデジタルポータブルプレーヤーの市場を席巻した一年であった。
熾烈なシェア争い
2003年からヒット商品番付上位に登場してきた薄型大型テレビは、1インチ1万円を切る機種も登場しさらに普及に弾みがついてきた。液晶かプラズマかという迷いが消費者にあり、「AQUOS」 VS 「VIERA」の熱い商戦が続いている。
酒税法上「その他の雑種2」に分類され酒税が安い第3のビールも、昨年ヒットした「ドラフトワン」に追随して各社が新製品を投入、そのなかでも「のどごし<生>」がトップシェアを奪った。お酒のなかでも成長分野である缶チューハイ市場では、圧倒的シェアを握る「氷結」に「-196℃」が挑戦し、「氷結」VS「-196℃」の競争が続いた。
また、ポータブルゲーム機の分野では「ニンテンドーDS」VS「PSP」の一騎打ちの形となったが、人気ソフトの充実度に勝る「ニンテンドーDS」が一歩先に出た。
売り場面積はコンビニ並みで100円という均一価格で生鮮食品を販売する生鮮百円コンビニは、SHOP99の売上が2001年3月期に61億円だったものが、2005年3月期には545億円へと急拡大した。これに追随して、ローソン、am/pm、スリーエフなどが同じような業態の店を出店して新たな競争が始まっている。
気がつけば大ブレイク
ワールドカップ第1回大会や日本女子オープンを制した宮里藍の人気もすごい。宮里以外にも若手女子プレイヤーが次々と台頭し、女子プロゴルフ界全体が脚光を浴びている。
漫画と映画で今年大きな話題となったのは、メジャーデビューを目指すボーカリストの大崎ナナと、恋人を追って上京した小松奈々が一緒に暮らす姿を描いた「NANA」である。
また、人気テレビ番組で「ダイエットにいい」と紹介されたことから「寒天」ダイエット料理が大評判になり、寒天の注文が殺到して長野県などの産地を慌てさせた。
完全にアナログカメラの地位を奪った感のあるデジカメでは、今年は手ぶれ防止デジカメに人気が集まった。一方アナログでは、レンズ付きフィルム「写ルンです Night&Day」が、夜景を綺麗に撮れることから、発売後2年間で1000万本を売り上げる大ヒットとなった。
調理家電製品の分野では、スチームオーブンレンジが大ヒットした。300度の水蒸気で調理する「ヘルシオ」が食品の脂や食塩を落として健康にいいとヒットし、その後に発売された「スチームエレック」はさらにこれを超える大ヒットとなった。また、高速道路での自動料金収受システム(ETC)のセットアップ累計が900万件を突破し、利用率も50%を超えた。
ブロードバンドの契約者数が2000万件を超えたが、そのなかでも家庭用光ファイバー通信の普及スピードが速く、前年同期比94%の高い伸びとなった。
テレビドラマでは、仲間由紀恵主演の『ごくせん』が最終回視聴率32.5%という人気を博し、新書では、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』が110万部のミリオンセラーとなった。
個人の生き方にも新しい変化が生まれている。LOHASは、ライフスタイルズ・オブ・ヘルス・アンド・サステナビリティの頭文字で、LOHASを前面に打ち出した住宅や店舗などが数多く登場し、LOHASをテーマにした雑誌「ソトコト」も多くの人に読まれている。
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(注)本番付は、大相撲の番付の形式を採用しているため「東」と「西」に分かれていますが、選ばれた商品と地理的な東西の関係は一切ありません。対象は、個別の商品に留まらず、一定のカテゴリーの商品群や人物・社会現象等を含みます。また、番付の順位は、出荷台数、売上高等の実績だけでなく、マーケットに与えた意義やインパクト、今後の成長性等を総合的に判断し、決定したものです。
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