Netpress　第2231号新年スピーチ事例　令和５年（2023年）の干支は「癸卯（みずのと・う）」

2022/12/05 リーダーシップ経営者・経営幹部・管理職教養・リベラルアーツ Netpress
SMBCコンサルティング株式会社ソリューション開発部経営相談グループ

一昨年、昨年に続いてコロナ禍に翻弄された令和４年（2022年）も、いよいよ年の瀬となりました。来たる令和５年（2023年）に向けて、新年のスピーチ事例と、十二支や干支、主な行事などに関する情報をお届けします

日本実業出版社　月刊『企業実務』編集部

新年スピーチ事例◎「今年は卯年、ウサギの跳躍力で、一段高い目標を達成しましょう！」

明けましておめでとうございます。今年も新年の幕開けをみなさんとともに迎えることができました。

ご承知のように、今年は卯年（うどし）、いわゆる兎（ウサギ）年で、十二支では４番目に数えられます。そして卯は、時刻でいえば午前５時から７時までの２時間を、方角でいえば東をさします。また、今年の干支は「癸卯（みずのと・う）」です。干支の組み合わせは全部で60通りありますが、その40番目です。癸は、甲乙で始まる十干（じっかん）の10番目で、「植物の種子が大きさを測れるまでになった状態」を意味します。

さて、ウサギというと、みなさんはどんなイメージをもたれるでしょうか。生態としては、ウサギは草食動物で、警戒心が強く、早朝や夕方に活発に活動します。そのイメージとしては、おとなしい、かわいい、小心者、臆病、あるいは悪賢い、愚か……などなど、実に幅広いのではないかと思います。

古来より、ウサギは狩猟・捕獲の対象であり、食肉としても用いられてきました。人間にとって身近な存在であったからこそ、ウサギに対してはさまざまな見方があり、ウサギの特徴を捉えた慣用句も多く存在します。

たとえば、「ウサギの耳」といえば、地獄耳のことですし、「ウサギの昼寝」は、油断をして思わぬ失敗をすること、「ウサギの上り坂」なら、物事が早く順調に進むこと、「兎に祭文（さいもん）」なら、いくら説いて聞かせても一向に効果がないことを意味します。あくまで人がウサギに対してもつイメージを踏まえたものですから、ウサギには迷惑な話かもしれませんが、こうしてみると、ウサギはとても人間的な動物だといえそうです。

それから、ウサギには「跳ねる」という特徴があるため、卯年は景気が良くなる年ともいわれています。ちなみに、前回の卯年は、東日本大震災と原発事故に見舞われた2011年です。この年の日経平均株価は、年初は１万円を超えていましたが、年末には８千円台半ばまで大きく下げました。

はじめにも紹介しましたが、卯の刻は午前５時から７時までの２時間をさします。まさに、日の出とともに１日が始まる時間帯です。夜が明けて新しい１日、１年が始まり、ウサギが跳ねるように株価も上がって、日本経済も私たちの会社も力強く成長していく、そんな１年になるといいですね。

まだまだ油断はできないものの、コロナ禍もようやく出口が見えてきたようです。引き続き感染防止に留意しながらも、ぜひ高い目標に向かって飛躍する１年にしましょう。みなさんの活躍を期待しています。

※このスピーチは約３分間を想定しています

●「兎」に関することわざ、格言、故事成語

株を守りて兎を待つ（かぶをまもりてうさぎをまつ）

古い習慣や過去の成功体験にこだわり、いつまでも進歩がないことや臨機応変にふるまえないことのたとえ

狡兎死して走狗烹らる（こうとししてそうくにらる）

必要なときは頼りにされ重宝されていたものも、利用価値がなくなれば捨てられてしまうことのたとえ

兎も七日なぶれば噛みつく（うさぎもなぬかなぶればかみつく）

どんなにおとなしい人でも我慢には限度があり、しつこく辱(はずかし)めたり弄(もてあそ)んだりすればついには怒るというたとえ

兎の罠に狐がかかる（うさぎのわなにきつねがかかる）

思いがけない幸運に巡りあったり、収穫を得たりすることのたとえ

兎を得て蹄を忘る（うさぎをえてわなをわする）

目的を達成すると、その達成をサポートしてくれた存在（恩人や道具など）を忘れてしまうことのたとえ

●前回の「癸卯」（1963年＝昭和38年）の重大ニュース

○『鉄腕アトム』放送開始	１月、手塚治虫原作の漫画『鉄腕アトム』が、１話30分枠のTVアニメとして放送を開始。毎週連続で放送するTVアニメの先駆けとなった。
○吉展ちゃん誘拐事件	３月31日、東京都台東区で発生した当時４歳の村越吉展（よしのぶ）ちゃん身代金目的誘拐殺人事件。当時は「戦後最大の誘拐事件」といわれ、被害者や家族保護等の観点から、日本で初めて報道協定が結ばれた。
○ワシントン大行進	８月28日、アメリカ合衆国の首都ワシントンで、人種差別の即時撤廃を要求して行われた大規模なデモ。このときのマーチン・ルーサー・キング牧師によるスピーチ「I Have a Dream」は、歴史的な名演説となった。
○ケネディ大統領暗殺事件	11月22日（日本時間23日早朝）、アメリカ合衆国第35代大統領のジョン・F・ケネディが、テキサス州ダラスで狙撃されて死去。46歳の若さだった。この衝撃的なニュースは、初の日米間のテレビ衛星中継で伝えられることになった。
○力道山刺傷事件	12月８日、国民的な人気を誇ったプロレスラーの力道山が、暴力団組員とのトラブルから、ナイトクラブで腹部を登山ナイフで刺された。12月15日に39歳で死去。

●令和５年（2023年）の主な出来事（予定）

４月	４年に一度の統一地方選挙
５月	イギリス国王チャールズ３世とカミラ王妃の戴冠式
５月	広島県広島市で主要国首脳会議（G7サミット）が開催
９月〜10月	フランスでラグビーワールドカップ2023が開催
10月	消費税の適格請求書等保存方式（インボイス制度）の開始
10月	特別国民体育大会（かごしま国体）・特別全国障害者スポーツ大会（かごしま大会）が開催