新入社員たちが描くリアルな働き方とは? 2025年度 新入社員意識調査アンケート【SMBCコンサルティング発表】

2025年度の新入社員たちは、その多くが“Z世代”となり、主に学生時代の前半にコロナ禍の影響を大きく受けた世代です。彼ら彼女らは、自身の働き方について、どのような考え方をもっているのでしょうか。

SMBCコンサルティング株式会社では、2025年4月に開催した新入社員研修に参加した2,169名に対し、就労などに対する意識の実態を把握することを目的としたアンケート調査を実施。その結果を公表します。

アンケート概要

調査期間:2025年4月2日〜2025年4月16日

対象:2,169名(SMBCコンサルティング主催の新入社員研修受講者)

方法:全14問のマークシート方式によるアンケート


アンケート結果


「対面のみ」と「対面とオンラインの両方」で回答が二分。コロナ禍収束で「オンラインのみ」は減少する一方、「対面とオンラインの両方」は前年度より1.2ポイント上昇し、アフターコロナにおいてもオンラインでの面接が一般化している状況が伺えます。



過去3年度と同様、「雰囲気がよい」(前年度比1.2ポイント減)が差をつけて最上位。2番目に多かった「仕事のやりがいがある」は前年度から3.4ポイント減で、3年前との比較では5ポイント以上減少しています。「社会に貢献している」の回答も減少傾向が続いています。一方、「給料がよい」の回答は下位ではあるものの、年々上昇傾向にあります。



「収入が得られる」「自己成長できる」が例年同様、上位二つの回答となり、いずれも前年度より増加しています。それ以外の回答は大半が前年度よりポイントを減らしているなか、「自分のやりたい仕事ができる」は前年度比1.6ポイント増加しました。
「新しいことに挑戦できる」「新しい人間関係を構築できる」は、減少傾向が続いています。



社会人として期待を抱く半面、どのような不安を抱いているのでしょうか。
いずれも前年度比減となったものの、「仕事をうまくこなせるか」「上司・先輩・同僚とうまくやっていけるか」という“仕事”に対する不安が、上位2つを占めました。その次に「私生活とのバランスが取れるか」「生活環境の変化」という“生活”に対する不安が続きました。



新入社員たちは会社に対して、どのようなことを求めているのでしょうか。
風土面では、「残業がない(少ない)・有給休暇が取得しやすい」(前年度比2.7ポイント減)が4年度連続で最上位。「お互いに助け合う」「遠慮せずに意見を言いあえる」が続き、“風通しのよい職場”を求める回答が続きました。「活気がある」は年々、回答割合が減少しています。



制度面では、「給与・待遇がいい」が最も高く、続いて「希望の職種、勤務地への配属」「充実した教育・キャリア開発支援がある」となり、前年度より大きな変化は見られませんでした。


気になるのは、Q5も含めた「会社に求めること」の16項目中11項目で、2022年度と比べて回答割合が減少していることです。会社に対する期待感が薄れている可能性や、回答項目にはない要望を抱いている可能性もあるため、企業側は新入社員ひとり一人に向き合い、ニーズをくみ取る姿勢も重要なのかもしれません。



「どちらかというとプライベートを優先したい」「プライベートを優先したい」の合計は前年度比微減ながらも、8割強となりました。仕事よりもプライベートを重視する傾向が、依然として続いています



例年同様、「積極的にコミュニケーションを取ってくれる」「いつでも相談できる雰囲気がある」「丁寧な指導をしてくれる」の回答が、上位三つを占めました。先輩・上司がどのような能力や資質をもっているかよりも、自分に対してどのように接してくれるかという点に比重が置かれている傾向が見受けられます。


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「仕事を通じて成長できること」(前年度比0.9ポイント増)が、4回目の調査にして初めて最上位の回答となりました。2番目となった「人間関係の良好な職場で働くこと」は前年度比4.8ポイント減。コロナ禍を機にリモートワークなどの多様な働き方が定着したことで、新入社員の考え方にも変化が生まれた可能性も考えられます。



自分の能力については、どのように考えているのでしょうか。

自信がある能力については、「相手の意見を丁寧に聞く力」が例年同様、最上位の回答でした。前年度の5番目から、今年度は3番目となった「自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力」も含めて、“他者との折り合い”に関連する項目が上位に並びました。

※各項目は経済産業省が提唱する「社会人基礎力12の能力要素」に基づいています



不足している能力については、「自分の意見を分かりやすく伝える力」の回答が最も多く、「他人に働きかけて巻き込む力」「新しい価値を生み出す力」が続きました。自身が先頭に立って周囲を巻き込んで物事を進めることに対しては、苦手意識をもっていることが伺えます。



Q10とQ11の回答を概ね反映しているようです。自身が先頭に立って周囲を巻き込んで物事を進めることに対しては、苦手意識を抱く一方、課題とも捉えていることを示しています。



スペシャリスト、ゼネラリストの順番は昨年度から変わりませんでした。昨年度は4番目だった「組織やチームを率いる管理職」が、「特に考えていない」を上回り3番目に浮上しました。



「できれば今の会社で働き続けたい」が前年度比微減ながら、最上位の回答で、「いずれは転職したい」は2022年度から減少傾向が続いています。「入社時から転職を見据えている」などと言われることも多い新入社員たちですが、この調査からは比較的保守的な傾向が伺えます。



過去のアンケート調査結果

2024年度 新入社員意識調査アンケート【ダウンロード版】

2023年度 新入社員意識調査アンケート

2022年度 新入社員意識調査アンケート【ダウンロード版】


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