今年度の新入社員が描く社会人像、理想の上司像とは? 2023年度 新入社員意識調査アンケート【SMBCコンサルティング発表】

2023年度の新入社員はどのような意識をもって、社会人としての第一歩を踏み出したのでしょうか。学生時代の大半をコロナ禍で過ごした新入社員たちが描く社会人像や理想の上司像とはどのようなものなのでしょうか。
SMBCコンサルティング株式会社では、2023年3~4月に開催した新入社員研修に参加した2,464名に対し、就労などに対する意識の実態を把握することを目的に、アンケート調査を実施。その結果を公表します。

アンケート概要

・期間:2023年3月30日~4月17日

・対象:2,464名(SMBCコンサルティング主催の新入社員研修受講者)

・方法:全14問のマークシート方式によるアンケート



アンケート結果


「対面のみ」と「対面とオンライン両方」で回答が二分し、「オンラインのみ」は7.2%と前年度より4.7ポイント減少しました。



前年度と同様、「雰囲気がよい」(前年度比3.6ポイント増)が最上位。次いで、「仕事のやりがいがある」となりましたが、前年度より2.6ポイント減少しました。前年度、6番目だった「業績が安定している」が、2.7ポイント増で4番目に浮上しました。



社会人生活については、どのように考えているのでしょうか。

「社会人になって期待していること」については、「収入が得られる」「自己成長できる」が高く、それぞれ前年度より微増。次いで、「新しいことに挑戦できる」「必要なスキルを身につけることができる」となりましたが、それぞれ前年度から2ポイントほど減少しました。



逆に不安を感じていることについては、「仕事がうまくこなせるか」が前年度比3.1ポイント増の70.7%と最も高く、「上司・先輩・同僚とうまくやっていけるか」「私生活とのバランスが取れるか」と続きました。



会社にはどのようなことを求めているのでしょうか。

風土面については、「残業がない(少ない)・有給休暇が取得しやすい」が最も高く、割合も前年度から4.2ポイント増加。Q4の「社会人になって不安を感じていること」で「私生活とのバランスが取れるか」が上位になったことからも、ワークライフバランスを重視する傾向がうかがえます。

また、「お互いに助け合う」が2番目となり、Q2の「今の会社を選んだ基準」で「雰囲気がよい」が最も高かった結果からも、良好なコミュニケーションがすでに構築されている職場で働きたいという傾向が見えました。



制度面については、「給与・待遇がいい」が最も高く、続いて「希望の職種、勤務地への配属」「充実した教育・キャリア開発支援がある」となり、それぞれ前年度と大きな変化は見られませんでした。



働き方については、「プライベートを優先したい」「どちらかというとプライベートを優先したい」を合計した『プライベート優先』は83.9%で、『仕事優先』を大きく上回りました。さらに『プライベート優先』は、前年度から約2ポイント増加し、プライベート重視の傾向が強まっていることが見てとれます。



先輩・上司に求めることは、「積極的にコミュニケーションを取ってくれる」「いつでも相談できる雰囲気がある」「丁寧な指導をしてくれる」に回答が集中し、前年度からそれぞれ約2ポイントずつ増加。強いリーダーシップや責任感のある上司よりも、積極的にコミュニケーションが取れ、話しかけやすい雰囲気の上司を求める傾向が、前年度から継続しています。



他の設問と同様に、良好な人間関係と私生活を重視できる環境を求めているほか、仕事を通じた成長や充実感・やりがいを求める項目も上位に挙がりました。ただ、「仕事を通じて成長できること」が前年度比3.2ポイント減少するなど、仕事を通じた成長や充実感・やりがいを求める項目は前年度から減少傾向になりました。



仕事に対する能力に関しては、どのように考えているのでしょうか。

「自信がある・発揮できると思うもの」について、「相手の意見を丁寧に聴く力」が最も高くなりました。「社会のルールや人との約束を守る力」「自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力」など、前年度と同様にチームワークに関する項目のポイントが高い傾向にあります。

※各項目は経済産業省が提唱する「社会人基礎力12の能力要素」に基づいています



「自分に不足していると思うもの」については、「自分の意見をわかりやすく伝える力」が最も高く、次いで、「他人に働きかけ巻き込む力」「新しい価値を生み出す力」と続きました。自ら主体的に行動することに対して、苦手意識を持っていることがうががえます。



「自分の意見をわかりやすく伝える力」に回答が集まり、前年度より2ポイント増加しました。他者の意見を聞く力には自信がある一方、自らの意見を基に他者を動かすような行動には苦手意識があり、必要性も感じていることがわかります。これは前年度から継続する傾向です。



将来については、どのように考えているのでしょうか。

今後、組織の中で就きたい役割については、「スペシャリスト」の割合が最も高く、前年度から微増となりました。一方、「ゼネラリスト」「管理職」は約2ポイント減少し、「とくに考えていない」の回答が3ポイント増加しました。



最後に、今後のキャリアについて聞いたところ、「できれば今の会社で働き続けたい」が最も高く、2022年より約3ポイント増加しました。

一方で、2022年度の新入社員を対象に、2022年9~10月に実施した入社半年後の意識調査では、「いずれは転職したい」の項目が入社時点の23.0%から38.6%まで増加しました。2023年度の新入社員にも同様の傾向が見られるのか、今後の調査結果に注目したいです。



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2022年度  新入社員意識調査アンケート

【研修講師による分析記事付き】

SMBCコンサルティングでは2022年3、4月に約2500人の新入社員に対して意識調査アンケートを実施。そのアンケートについて同社主催のビジネスセミナーなどを担当する講師4名に、2022年度の新入社員の傾向、それを踏まえた付き合い方などについて伺いました。

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