新入社員たちの会社へのリアルな想いとは? 2024年度 新入社員意識調査アンケート【SMBCコンサルティング発表】

2024年度の新入社員たちは、コロナ禍の影響を大きく受けています。授業がリモートで行われ、なかなか対面で友人に会えないなど、さまざまな苦労の末、社会人になった世代です。そんな彼らは、社会人について、また会社に対して、どのような想いを抱いているのでしょうか。
SMBCコンサルティング株式会社では、2024年3、4月に開催した新入社員研修に参加した2,620名に対し、就労などに対する意識の実態を把握することを目的に、アンケート調査を実施。その結果を公表します。


アンケート概要

調査期間:2024年3月28日〜4月15日

対象:2,620名(SMBCコンサルティング主催の新入社員研修受講者)

方法:全14問のマークシート方式によるアンケート


アンケート結果


「対面のみ」と「対面とオンライン両方」で回答が二分されているものの、「対面のみ」が前年度より3.1ポイント上昇しており、対面の面接に回帰する傾向が強まっているようです。



過去と同様、「雰囲気がよい」(前年度比1.4ポイント増)が、他の選択肢と差をつけて最上位。「仕事のやりがいがある」「能力が活かせる」はほぼ横ばいとなる一方で、「社会に貢献している」はわずかですが年々減少傾向にあります。また、「給料がよい」という回答も前年度より1.7ポイント上昇しています。



新入社員が「社会人になって期待していること」は気になるところです。

「収入が得られる」「自己成長できる」という回答が例年通り上位二つの回答となり、「必要なスキルを身につける」「自己のやりたい仕事ができる」が前年より微増しています。

Q2「今の会社を選んだ基準」では「社会に貢献している」が微減していましたが、社会人になっての期待として「社会や会社に貢献できる」という回答が前年と同じ水準となっており、「(誰かの)役に立ちたい」という気持ちは変わらないようです。



社会人としての期待を持つ一方で、どのような不安を抱いているのでしょうか。

「仕事をうまくこなせるか」が前年度より2.3ポイント減ったものの最も多く、次に「上司・先輩・同僚とうまくやっていけるか」といった人間関係への不安となっています。

「私生活とのバランスが取れるか」という回答が前年度より2.4ポイント増えており、社会ではワークライフバランスの理解が進む一方で、現実への不安を抱いていることが分かります。



新入社員は、会社にどのようなことを求めているのでしょうか。

風土面では「残業がない(少ない)・有給休暇が取得しやすい」が最も多く、年々回答が増えています。このことはQ4「社会人になって不安に感じていること」における「私生活とのバランスが取れるか」の増加との関連が感じられます。

また、「上下関係が厳しくない」が前年度より2.1ポイント減少しています。Z世代は上下関係をあまりよく思わない傾向にあるといわれますが、この結果は、昨今指摘される「叱られたい若者」の増加と無関係ではないのでしょう。



一方、制度としては、会社にどのようなことを求めているのでしょうか。

「給与・待遇がいい」が圧倒的に多く、次いで「希望の職種、勤務地への配属」となっています。

気になるのが、「給与・待遇がいい」「キャリアについて社内外に相談できる機会の提供」「年功序列型の昇給・昇格」以外の各回答が、それぞれ前年度より微減していることです。近年は入社当初から転職を見据える若者も少なくありませんが、この結果が考え方の変化なのか、会社への期待感が薄れているのか、もしくは転職を見据えてのことなのか、会社側として考えてみてもよいのではないでしょうか。



働き方については、プライベートを優先的に求める傾向がはっきりと見られます

「どちらかというとプライベートを優先したい」が過半を超えていますが、「プライベートを優先したい」も年々着実に回答数が増えており、Q4「社会人になって不安に感じていること」における「私生活とのバランスが取れるか」、Q5「会社に求めること/風土面」における「残業がない(少ない)・有給休暇が取得しやすい」の各回答との関係も見逃せません。



「先輩・上司に求めること」は、「積極的にコミュニケーションを取ってくれる」「いつでも相談できる雰囲気がある」「丁寧な指導をしてくれる」が他の回答を引き離して多く、新入社員がコミュニケーションを求めていることが分かります

一方で、「仕事への熱意がある」の回答は3年連続で減少しており、Z世代は”熱血漢”を避ける傾向にあるのかもしれません


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「仕事内容に求めること」では、「人間関係の良好な職場で働くこと」の回答が最も多く、次いで「仕事を通じて成長できること」となりました。

ここでも「プライベートを大切に働けること」が上位の回答となっており、若者達が良好な人間関係を求める一方で、「個」を大切にしていることが分かります

また、「人や社会の役に立つこと」が3年連続で微減しており、心のゆとりが失われてきているのかもしれません。



新社会人が「自信がある、発揮できると思うもの」として、最も多く回答したのが「相手の意見を丁寧に聴く力」。会社に雰囲気や人間関係のよさを求めているだけあり、大切にしている能力のようです。

気になるのが「目的を設定し確実に行動する力」が、2022年度に20.3%あったのが、24年度では15.4%に減っていること。「物事を進んで取り組む力」の回答は上位に入っているため一概にはいえませんが、指導の仕方を間違えると指示待ちになりかねないため、注意が必要です

※各項目は経済産業省が提唱する「社会人基礎力12の能力要素」に基づいています



新入社員たちは、自分に何が不足していると感じているのでしょうか。

上位で拮抗しているのが「自分の意見をわかりやすく伝える力」「他人に働きかけ巻き込む力」といった回答ですが、両回答とも2022年度からは減少しています。

一方で、「ストレスに対応する力」が年々増加傾向にあります。最近の若者はストレス耐性に弱いといわれていますが、アンケートの結果もそれを裏付けるものとなりました。



「今後、自分に必要だと思うもの」は、Q11の回答を概ね反映しているようです。

ただし、Q11で上位3番目だった「ストレスに対応する力」がここでは4番目となり、Q12で5番目だった「物事に進んで取り組む力」が3番目となっています。

また、「新しい価値を生みだす力」も、Q11では27.5%で4番目に不足しているものとして多かったのが、こちらでは20.2%で8番目となり、不足しているものと必要だと思うものが、必ずしもイコールではないことを示しています。



「今後、組織の中で就きたい役割」は、スペシャリスト、ゼネラリストの順番は昨年度を変わりませんでしたが、スペシャリストの希望者が減り、ゼネラリストが増えています

「とくに考えていない」が、2022年度から5ポイント近く増えているのが気になるところですが、「組織やチームを率いる管理職」が昨年度から1.1ポイント増えており、会社にとっては期待が持てる結果でした。



入社してすぐに辞める人が増えている、入社時点から人材会社に登録している、といわれる今の新入社員ですが、「今後のキャリアプラン」を尋ねる問いでは、「できれば今の会社で働き続けたい」が今年度の回答では50%と過半を占めました。「いずれは転職したい」「いずれは起業したい」という回答も減少傾向にあり、保守的な考え方をする人が増えていることが見て取れます


過去のアンケート調査結果

2023年度 新入社員意識調査アンケート

2022年度 新入社員意識調査アンケート


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