株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【幼児教育】23年12月

【業界アウトライン】
厚生労働省の「令和4年人口動態統計」によると、出生数は77万759人(前年より4万863人減少)で、明治32年の人口動態調査開始以来最小となった。また、合計特殊出生率は1.26(前年1.30より低下)で、過去最低となった。

幼児受験教育市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2023年度の幼児受験教育市場規模は、119億円(対前年度比101.7%)と見込まれる。

・同市場では、近年、共働き世帯の増加によって世帯収入が増加している層の拡大や、祖父母からの支援などによって、需要層の拡大がみられる。

・また、教育事業者の入塾説明会等がコロナ禍でオンライン開催へシフトしたことで、これまでアプローチできていなかった層も参加し易い環境となり、需要層の裾野拡大に影響している。

業界動向/事業者動向

・同市場は、一定規模で存在する私立小学校志望者層からの底堅い受験対策ニーズに支えられており、主要事業者による料金改定の動きもあって、堅調に推移していくと見込まれるが、少子化進行の影響による受験層の縮小が懸念されることから、当該市場の大きな拡大成長は見込みにくい状況にある。
・当該市場への参入事業者は、幼稚園・小学校受験指導はもちろんのこと、知育や英語、体育、芸術、音楽などの指導も並行して提供・実施しているケースも多く、受験指導を手掛ける幼児教室の展開エリアは首都圏・東京を中心に、大阪近郊といった有名私立小学校のあるエリアに集中している。

幼児体育指導市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2023年度の幼児体育指導市場規模は、200億円(対前年度比103.1%)と見込まれる。
・幼児体育指導は、幼稚園・保育園へ指導員を派遣するものと、スポーツクラブや体育館などの公共施設で行われる体育教室に大別される。
・同市場は、主要3社がシェアの過半を占めており、その他はローカルエリアにおける地域密着型中小・零細企業、個人事業主など小規模事業者になる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、新型コロナの2類から5類への移行などに伴って、宿泊を伴うイベントなども本格的に再開される見通しのため、概ねコロナ禍以前のような状況に戻るものと予想される。また、イベントの展開・集客状況などによっては、市場規模の上振れも期待できる。
・幼児体育指導は、少子化のマイナス影響があるものの、子どもにかける教育費の増加、子どもの健康に対する親の関心の高まりなどがプラス要因となっており、少子化が進む中で、他との差別化要素として体育指導を取り入れる幼稚園・保育園も増えていることから、同市場は拡大基調で推移している。

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