株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【機械】23年12月

【業界アウトライン】
2022年度の業務・産業向けプリンタ世界市場規模は、8,877億2,100万円(対前年度比116.1%)であった。1台あたりの単価が高額なプロダクションプリンタやLFP(インクジェット方式)などが好調であり、出荷金額は伸長した。

プロダクションプリンタ市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2023年度の同世界市場規模は、6,400億円(対前年度比109.8%)と見込まれる。

・同市場は、ラベル印刷やデジタル印刷、オンデマンド(POD)印刷等が可能なプロダクションプリンタを対象としている。

・同市場に分類される製品は高額であり、商談開始から成約・納品まで半年~1か年を要する場合も多く、コロナ禍の影響で後ろ倒しとなった更新需要は2023年度も影響が続くとみられる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、安価で導入もしやすい下位モデルの普及による裾野需要の拡大や、より生産性の高い上位モデルへのシフト需要を背景に、2024年度以降は年率+5%程度の成長で推移すると見込まれる。
・各事業者においては、下位モデルへの注力に加え、上位機種での提案型営業の強化を進めており、上位モデルでは印刷速度の上昇による生産性向上、紙対応力に加え、前後工程を含めた総合的な効率化や多機能対応、ワークフローを含めたソフトの充実化、多色対応等での品質安定を積極的に提案している。近年は中位モデルから上位モデルへのシフトもみられ、今後は導入製品の二極化が進むとみられる。

LFP(インクジェット方式)市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2023年度のLFP世界市場規模は、2,863億67百万円(対前年度比105.0%)と見込まれる。
・同市場は、A2以上の大判サイズの印刷を行う製品を対象としているが、テキスタイルプリンタ、卓上小型インクジェットプリンタも対象に含む。
・LFP(インクジェット方式)の用途は、CAD、サイン/グラフィック、印刷業に加え、アパレル、建材、ノベルティ、ラベル、食品など多岐に渡っている。

業界動向/事業者動向

・同市場は拡大基調で推移しており、その中でも、テキスタイル専用プリンタなど利用可能範囲が大きい製品の伸長が目立つ。さらに、水性プリンタや、乾燥時間を必要としないUVプリンタも順調に出荷台数を伸ばしており、工業製品や段ボールプリントなど、速乾性を活かした用途での伸長が見込まれる。
・そのほか、環境負荷の軽減を考慮したラテックス、個人事業主などが手軽に事業を始められるように小型化された卓上・小型機など、成長が期待できるカテゴリも多く、需要は堅調に推進するとみられ、各事業者も積極的に新機種を発表していることから、新たな用途での利用拡大が期待される。

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