株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【アパレル】23年12月

【業界アウトライン】
2022年のアパレル総小売市場規模は、8兆591億円(対前年比105.9%)で、2年連続で前年を上回った。アパレル総市場は、今後2025年ごろまで回復し続けるとみられ、その後は人口減少に伴い、市場は緩やかに減少するとみられる。

ベビー・子供服市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2023年のベビー・子供服市場規模は、8,330億円(対前年比101.9%)と見込まれる。

・チャネル別小売市場規模は、百貨店1,050億円(対前年比105.0%)、量販店780億円(同98.7%)、専門店3,600億円(同101.7%)、その他2,900億円(同101.9%)と見込まれる。

・同市場は、増収が上位の事業者に偏っており、寡占化が進んでいる。

業界動向/事業者動向

・同市場で伸長している百貨店は、ベビー・子供服の売場が縮小傾向にある中で自主編集売場を強化しながら、適正な品揃えと無駄のない配置を行っており、子育ての不安の解消や相談に対応するコンシェルジュの配置、母親向けイベントの開催など、ママの関心が高いコト提案も強化する動きがみられる。
・同市場の4割以上のシェアを占める専門店では、ベビー・子供服の自社PB等の売上が伸長しており、ママインフルエンサーとの協業企画、SNSの動画広告など新しいプロモーションを手掛ける動きがみられる。また、メーカーの中には、好調な専門店と素材開発から生産まで取組み、販売額を伸ばしている。

ナイトウェア・ホームウェア市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2023年のナイトウェア・ホームウェア市場規模は、1,510億円(対前年比100.7%)と見込まれる。

・ナイトウェア・ホームウェアは、パジャマ、ネグリジェ、ローブ、ラウンジウェアなどの商材を指す。

・同市場は、コロナ禍を機に在宅時間が長時間化したことなどから、ホームウェアが堅調に推移しており、「ホームウェア・室内着」需要の継続によって、2022年と同程度の規模を維持するとみられる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、インナーウェアメーカーや寝具メーカー、アパレル各社など様々な分野の事業者が参入している中で、全般的には寝巻きより室内着の人気が高まっており、一部のアパレルなどのように素材や着心地を追求した高級品や、無名の海外アパレルの低価格品まで幅広く流通している。
・一方、快適な睡眠には、きちんと睡眠用のパジャマを着用することで、寝ている間の体温を保ち、中途覚醒が減少、血流を良くし寝返りがうちやすくなるといった研究結果も発表されており、睡眠への関心が高まっている中、寝具・寝装品だけでなく、ナイトウェアの需要復権に寄与することも期待される。

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