株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【印刷・出版・コンテンツ】23年9月

【業界アウトライン】
2022年度のキャラクタービジネス市場規模は、2兆6,136億円(対前年度比101.1%)であった。同市場における割合は、商品化権が48.7%、版権が51.3%となっており、版権はSNSや動画などのメディアの影響で拡大傾向にある。

キャラクター商品化権市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2023年度のキャラクター商品化権市場規模は、1兆2,908億円(対前年度比101.4%)と見込まれる。

・キャラクター商品化権とは、玩具や菓子、食品、飲料、衣料品、日用品などの商品に付帯してキャラクターを使用する権利を指す。

・2023年度は、「ハリーポッター」や「ジブリ」のテーマパークがオープンすることで、商品化やタイアップの展開で市場を席捲するとみられる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、近年、玩具メーカーやゲーム会社を中心としたマルチメディア戦略の推進により、ターゲットを絞った多品種少量生産によって商品の多様化が進んでいる。事業者においては、更なる少子化の影響を想定し、キャラクターを活用した大人やシニア向けの商品開発が活発化している。
・同市場は、コロナ禍の数年間から解放されたことが影響し、キャラクターは “癒し”から、人々にとって元気や活力を与える“推し”の対象に変化してきており、いわゆる「推し活」消費が活発化するとみられることから、今後も引き続き好調に推移していくと見込まれる。

キャラクター版権市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2023年度のキャラクター版権市場規模は、1兆3,600億円(対前年度比101.5%)と見込まれる。
・キャラクター版権とは、出版権、広告宣伝への使用権利、ソフトウェアへの使用権利、イメージキャラクターとしての使用権利、いずれかに該当するものを指す。
・同市場では、VTuberなどの新しいキャラクターかつ付加価値の高い知的財産の誕生によって、起用は増加基調にある。

業界動向/事業者動向

・同市場は、ここ数年の広告宣伝費が増加基調にある中で、Netflixなどの動画配信プラットフォームの普及によりアニメ視聴機会が増加し、キャラクターの価値が向上しており、キャラクターによるメッセージが消費者に伝わりやすいことが浸透したことで、積極的な起用が行われている。
・同市場では、視聴者がテレビから動画配信にシフトしていることから、動画と親和性の高いVTuberなどの起用が急激に増えたことも市場拡大に繋がっており、ファンの体験価値向上、ファンコミュニティの拡大への積極的な投資を行うなど、長期的な視点でのメディアミックスが重要となっている。


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