株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【自動車(モビリティ)】23年9月
【業界アウトライン】
2025年大阪・関西万博での空飛ぶクルマの機体運航事業者として、ANAホールディングス、日本航空、丸紅、SkyDriveの4社(海外機体メーカーとの協働含む)が選定されており、型式証明の取得に向けて開発スピードを上げている。
2025年大阪・関西万博での空飛ぶクルマの機体運航事業者として、ANAホールディングス、日本航空、丸紅、SkyDriveの4社(海外機体メーカーとの協働含む)が選定されており、型式証明の取得に向けて開発スピードを上げている。
空飛ぶクルマ市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2025年の空飛ぶクルマ世界市場規模は、608億円(日本:45億6,000万円)と見込まれる。
・本レポートにおいて、“空飛ぶクルマ”とは、「電動」で「自動飛行」を行い「垂直離着陸」が可能な機体を指す。
・2022年前半時点では、空飛ぶクルマ関連の企業は400社以上と考えられており、おそらくそれ以上の企業が参入している可能性が高い。
業界動向/事業者動向
・同市場では、2023年から続々と有人飛行試験が実施されており、事業化に向けた機体の安全性、社会受容性等必要な項目を確実にするために今後も実証実験が行われる。日本国内では、2025年開催の大阪・関西万博にて、空飛ぶクルマの事業が開始され、それ以降本格的な機体実装が進むとみられる。
・国内自治体では機体導入を検討する動きが活発化しており、2025年の万博開催以降、2030年前後には全国で空飛ぶクルマを実装し、各地方での課題解決や観光客誘致を目指すほか、国とは別に各自治体独自のドローン含めたロードマップを作成する動きもみられ、万博以降の市場盛り上がりも期待できる。
空飛ぶクルマ部品市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2025年の空飛ぶクルマ部品市場規模は、45億6,000万円と見込まれる。
・空飛ぶクルマ部品は、事業前の開発段階で公開情報が少ないため、モーター関連、機体素材、安全装置の3種類の部品のみを算出した形となっている。
・機体メーカーはベンチャー企業であることが多く、更なる機体開発加速を見越し、自動車や航空機、その関連部品メーカーと共同で開発を進めているケースが多い。
業界動向/事業者動向
・空飛ぶクルマのモーター関連は、以前からモビリティ用モーターを取り扱っていたメーカーなどが新規市場参入などを目的に開発を進めており、既存航空機の電動化と併せて技術発展が期待される。
・機体素材は、軽量や高強度といった特性を持つCFRP(炭素繊維複合材料)が採用されるとみられ、現時点では高コストな素材であるが、機体製造の増加に伴う使用量増でコストの落ち着きが見込まれる。一方で、機体安全装置は、どのような形状で機体へ搭載するかは未定となっており、パラシュートや他の形態で機体へ装備する案が考案されており、国外の実例なども調査を行い精査していく段階にある。
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