株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【機械】23年6月

【業界アウトライン】
内閣府の「機械受注統計調査」によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は、2023年1~3月は2兆6,705億円(前期比2.6%増)、2023年4~6月の見通しは、2兆7,926億円(前期比4.6%増)となっている。

パワー半導体市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2023年のパワー半導体市場規模は、258.1億ドル(対前年比108.0%)と見込まれる。

・パワー半導体の搭載用途は、情報・通信機器から電力インフラまで多岐に渡り、用途に応じて電圧、電流値が異なっている。

・同市場は、IoTの普及拡大、脱炭素社会実現への取組みを背景に、情報通信や民生、産業、自動車の各分野で需要が拡大基調にある。

業界動向/事業者動向

・同市場は、低耐圧から高耐圧までカバーしているSi(シリコン)パワー半導体が中心となっているが、次世代型パワー半導体として、高耐圧・大電流領域でSiC(炭化ケイ素)、中低圧領域でGaN(窒化ガリウム)パワー半導体が注目されており、高速スイッチングを求められる用途での市場拡大が見込まれる。
・事業者においては、白物家電、新エネルギー向け産業機器、xEV向けパワー半導体の需要拡大を受け、特に太陽光発電や風力発電システム、ハイブリッド車やEVのコンバータ/インバータで使われるパワーモジュールの伸長が期待できることから、生産能力増強に向けた設備投資を進める動きがみられる。

ヘッドマウントディスプレイ(HMD)市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2023年のHMD市場規模は、1,220万9,000台(対前年比115.6%)と見込まれる。
・同市場は、エンタテイメント分野を中心としたコンシューマ向けだけでなく、医療やインフラ等の業界で法人向け製品も需要が拡大している。
・HMDは、フルスペック型、スマートフォン装着型、ゲームコンソール、スタンドアローン型、ダンボール型の主に5つの製品カテゴリに分類される。

業界動向/事業者動向

・同市場では、製品的に高性能で表現力が豊かなのはフルスペック型であるが、現在最も市場が大きいのはスタンドアローン型となっており、後発のカテゴリではあるものの、PCやスマートフォンとの接続が不要で単独動作が可能であることから、製品数・出荷台数ともに最も多くなっている。
・2023年以降は、グローバルの主要事業者の製品において世代交代が進むことから市場の再拡大が見込まれるが、一方で、国内での本格的な普及は5G対応以降となる見通しであり、それまでの間に小型・軽量化、低価格化に加え、操作性、ディスプレイ性能、装着性など様々な改良が行われるとみられる。

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