株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【娯楽】23年6月

【業界アウトライン】
「令和3年社会生活基本調査」によると、1年間の主な生活行動で「趣味・娯楽」の行動者率は86.3%、5年前より0.7ポイント低下した中で、「スマートフォン・家庭用ゲーム機などによるゲーム」は 5年前より7.1 ポイント上昇した。

トレーディングカードゲーム市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年度の同市場規模は、1,038億円(対前年度比131.1%)と見込まれる。

・トレーディングカードゲーム市場は、一定の競技ルールの元、対戦を楽しむカードゲームに用いるカードを対象としており、中古カード取扱店やネットオークション等による二次流通は除外している。

・同市場は、社会問題に発展するほど人気となっており、市場規模は急拡大している。

業界動向/事業者動向

・同市場は、「ポケモンカードゲーム」が市場を牽引する形で大幅に拡大しており、スマホ向け位置情報ゲームアプリが普及したことなどを背景に対象年齢が拡大し、購入者の裾野が広がっている。同ゲームを含め人気のトレーディングカードゲームは、発売から20~25年程度経過し二世代型の遊びになっていることに加え、レアカードの高額取引といった話題性なども市場拡大の背景に挙げられる。
・大手事業者から漫画・アニメ・ゲーム等のキャラクターを用いた「共通ルールトレーディングカードゲーム」が続々と投入されるなど、異業種からの参入も増えており、同市場には注目が集まっている。

定番・クラシックゲーム、ユーロゲーム市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年度の同市場規模は、112億円(対前年度比96.2%)と見込まれる。
・同市場は、戦前から普及している伝統ゲームや発売後数十年にわたって遊ばれている定番ゲーム、1980年代からドイツを中心に作られてきたボードゲームやカードゲームを対象としている。
・同市場は、コロナ禍でアナログゲーム自体が見直されたことで、リピート購入が散見されるなど一定の需要を維持している。

業界動向/事業者動向

・近年、ゲームではデジタルゲームが主流となっているが、アナログゲームは、ジャンルが多岐にわたりプレイヤー数も増加傾向にあることに加え、コロナ禍では自宅で楽しめるツールとしてだけでなく、対面でのコミュニケーションの楽しさなどを理由に再注目され、同市場は盛り上がりをみせている。
・定番・クラシックゲームは、コロナ禍で家族や友人同士で遊べるコミュニケーションを深めるツールとして注目され、少子化を背景に子供だけでなく大人も含めた幅広い年齢の人が楽しめる商品の開発が行われているほか、二世代や三世代で楽しめる商品も増えており、「大人層」の開拓が進められている。

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