株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【住宅】23年6月
【業界アウトライン】
総務省の「住宅・土地統計調査確報集計(平成30年)」によると、全国の住宅ストック総数は6,240万戸、2020年1月1日時点での総世帯数は約5,900万世帯(総務省「住民基本台帳」)であり、「住宅余り」の状況になっている。
総務省の「住宅・土地統計調査確報集計(平成30年)」によると、全国の住宅ストック総数は6,240万戸、2020年1月1日時点での総世帯数は約5,900万世帯(総務省「住民基本台帳」)であり、「住宅余り」の状況になっている。
空き家市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2023年度の空き家市場規模は、953万2,000戸(対前年度比102.1%)と見込まれる。
・空き家とは、住宅ストックの中で「居住世帯なし」の住宅のことを指す。なお、居住世帯がない住宅ストックであっても、「一時現在者のみ」及び「建築中」は対象外としている。
・空き家でも住宅が建っていれば、土地の固定資産税が本来の1/6に軽減されるため、取り壊さずに放置され続け、大きな社会問題になっている。
業界動向/事業者動向
・同市場では、人口・世帯数の減少や高齢者による高齢者施設などへの転居等を背景に、空き家は増え続けているが、空き家数の拡大は決して望ましいものではなく、空き家数/率を抑制するためにも政策による支援や民間事業者による空き家を活用したビジネスの展開が重要となっている。
・空き家を活用したビジネスとしては、リモートワークの普及拡大や早期退職志向などを背景に、多拠点生活やリモートワーク・ワーケーションの拠点として、空き家をはじめとした日本各地の遊休不動産のリノベーション物件などに定額で住めるサブスクサービスを提供する事業者が台頭している。
住宅解体市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2023年の住宅解体市場規模は、1兆200億円(対前年比105.2%)と見込まれる。
・住宅解体市場とは、住宅の躯体の解体を対象としており、躯体以外の周辺構築物の解体に係る工事は対象としていない。
・住宅解体率は築年数が経過するほど高くなるため、築古の住宅戸数の増加や解体工事単価の上昇などを背景に、市場規模は拡大基調にある。
業界動向/事業者動向
・同市場は、廃棄物処分コストが高騰しており、今後も継続的な上昇が見込まれること、職人不足による人件費の上昇、基礎・躯体がしっかりとした比較的優良な住宅の解体件数の増加が見込まれることから、解体工事単価は継続的に上昇するとみられ、当面拡大し続ける成長市場である。
・一方、建設業では人手不足と高齢化は深刻な問題であり、65歳以上の就業者は81万人、20代は53万人で、10年後には高齢技能者の多くが引退するとみられ、技術承継が課題となるほか、建設業許可業者のうち、約6割が個人か資本金1,000万円未満の零細企業であり、後継者不足が課題となっている。
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