株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【ICT】23年3月

【業界アウトライン】
総務省の「令和4年版情報通信白書」によると、2020年の民間企業による情報化投資は2015年価格で15.2兆円(前年比0.4%減)、種別では、ソフトウェア(受託開発及びパッケージソフト)が8.9兆円で全体の約6割を占めている。

POSターミナル市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年度のPOSターミナル市場規模は、481億5,300万円(対前年度比120.3%)と見込まれる。

・同市場では、端末のPC化が進むとともに差別化が困難になったことで、参入事業者は集約されつつあり、大手PCメーカーとセルフ化で強みを発揮している機械メーカーが中心となっている。

・同市場は、POS専用機を代替するタブレットPOSの拡大や、デリバリーシステムの社会的普及などの影響を受け、先行き不透明な状況にある。

業界動向/事業者動向

・同市場では、現在、ハードとソフトの分離発注が拡大しつつあり、ハード市場の競争は激化している状況にあるが、2018~19年度に導入したユーザーのリプレース需要や、レジのセルフ化の進展とともに単価アップが見込まれることから、当面の間は拡大基調で推移すると見られる。
・近年、事業者においては、ユーザー側の変化に対応すべく、コロナ禍での非接触対応や人材不足などから注目が集まっているフルセルフレジ、カートレジ、スマホレジなどに対応した製品開発や、ハードとソフトの分離発注の流れを受けて、ソフトウェア単独での受注を目指す動きが見られる。

タブレットPOS市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2022年度のタブレットPOS市場規模は、89億3,800万円(対前年度比113.7%)と見込まれる。
・タブレットPOSとは、iOSやAndroidなどの汎用タブレットPCを利用して、クラウドベースでPOSソフトを提供する事業を指す。
・同市場の需要分野は、業種としては飲食業を主な需要先としながら、小売業、他にサービス業への導入が中心になっている。

業界動向/事業者動向

・同市場では、個店から小規模チェーンが主な導入先となっているが、導入先の規模の拡大に関しては、事業者によって意向が異なっており、カスタマイズが求められる大規模ユーザーへのターゲット拡大を目指す事業者と、あくまでパッケージ販売にこだわる事業者に二極化すると見られる。
・長期的な人手不足からレジ業務を無くす動きが加速すると見られ、モバイルオーダーやレジレス店舗等が増加することで、店舗におけるレジ自体が減少する可能性が高いことから、事業者にはタブレットではなく、別形態の販売管理システムなど、ユーザーの変化に合わせたサービスの変化が求められる。


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