株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【自動車】23年3月

【業界アウトライン】
「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、2035年までに乗用車新車販売で電動車100%、2040年までに小型商用車新車販売で電動車または脱炭素燃料車100%という電動車の普及目標を策定している。

電動商用車市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年の世界電動商用車市場規模は、84万4千台(対前年比282.4%)と見込まれる。

・現在は、中国、欧州が中心となって同市場を牽引しており、各国の補助金などの普及促進策を受け、販売台数を伸ばしている。

・今後、インドなど新興国においても大気汚染問題を背景に、ラストワンマイルや旅客輸送領域で電動車の普及が進むと見られる。

業界動向/事業者動向

・運輸部門におけるCO₂総排出量は乗用車と貨物車が多くを占めている。脱炭素化に向けて、企業は流通時にもCO₂の排出を削減する必要があることから、荷主から貨物輸送事業者へBEV(電気自動車)の導入を要望する流れが強まると見られ、BEVを中心に電動商用車の販売台数は増加すると見込まれる。
・電動商用車の中でも多くの構成比を占めるBEVは、バスや小型商用車を中心に導入が進んでいるが、航続距離や積載率低下などの問題を抱えており、商用車においてはBEV一本化ではなく、長距離輸送は、HEV、FCEV、代替燃料を活用するなど、パワートレインごとの適材適所が進むと見られる。

オートリース市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年のオートリース市場規模は、395万台(対前年比100.5%)であった。

・同市場では、法人顧客におけるリモートワークなどの働き方の変化や、個人リースの注目度拡大といったトレンドは継続すると見られる。

・また、政府が国内観光を喚起する施策を進めていることから、観光事業者によるバスやタクシーなどにおける増車が見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、コロナ禍での働き方の変化による社用車の減車やコスト削減などによって、法人向けが伸び悩む一方で、個人向けでは、自動車販売においてリースと類似性のある残価設定型クレジットが浸透する中、大手事業者や新規参入によるサブスクリプションサービスの増加によって拡大基調にある。
・そのほか、脱炭素やカーボンニュートラルに向けた機運が高まる中、オートリース事業者においては顧客企業のCO₂削減支援に向けて電動車の提案体制を構築・強化する動きが見られるが、電動車は導入コストや充電インフラ、残価設定などで課題があることから、様々なパートナーとの連携が求められる。

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