株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【美容・健康】23年3月

【業界アウトライン】
2022年度のヘアケア総市場規模は、5,128億円(対前年度比103%)と見込まれる。コロナウイルス問題の収束が進むにつれて、国内外の人や物の出入り規制が緩和され、消費環境の改善とともに市場は回復傾向になると見られる。

植毛市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年度の植毛市場規模は、53億円(対前年度比105.0%)と見込まれる。

・同市場は、自毛植毛と人工毛植毛に区分できるが、生着率や毛根消失部分への有効性などから、自毛植毛へのシフトが進んでいる。

・日本の薄毛人口は1,000万~1,300万人と推計され、ストレスや生活習慣の変化に伴い、女性の薄毛人口も増加していることから潜在需要は大きい。

業界動向/事業者動向

・一般的に植毛治療は中高年層が行うものであったが、リモートワークでモニターに映った自分の容姿を気にする若年層男性の植毛治療が拡大している。また、女性においては「小顔に見せたい」「生え際や額の形を整えたい」といった美容効果を目的とする自毛植毛のニーズが高まっている。
・同市場では、新たな毛髪治療の一つとしてSMP(Scalp Micro Pigmentation)治療が注目されている。気になる薄毛部分を隠すように頭皮に色素を定着させ、頭髪を多く見せるなど、幅広いタイプの薄毛・脱毛に対応可能であることから、SMPをラインアップするクリニックが増加すると見られる。

ヘアケア剤市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年度のヘアケア剤市場規模は、2,600億円(対前年度比103.1%)と見込まれる。
・同市場は、コロナ禍の影響は継続したものの、外出機会が増加していることや、家庭用でもマスクに隠れない髪の毛へのケア意識が高まったことから、高単価なシャンプーやヘアートリートメントが好調に推移している。
・同市場は、高付加価値化による市場単価アップの動きが継続し、拡大傾向で推移すると見られる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、超高齢社会というトレンドを受け、主に40代以上をターゲットとしたエイジングケアを訴求した製品や、根強い人気を獲得しているボタニカルのほか、クレイやハチミツなどの自然由来成分を配合した製品が増加するとみられ、今後も市場拡大が見込まれる。
・同市場は、近年、自社工場を持たないファブレスの新興ブランドメーカーが台頭しており、大手メーカーが寡占する状態は崩れつつある。また、製品開発においては、ファミリーユース中心から毛髪や頭皮のコンディションに対応した高付加価値型開発へとシフトする動きが活発化している。


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