株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【環境】23年3月

【業界アウトライン】
日本政府及び地方自治体では、「2050年のカーボンニュートラルの実現」に向けて温室効果ガス排出量削減の動きが活発化する中で、再生可能エネルギーの積極的な活用を打ち出すプロジェクトが増えている。

地域エネルギーマネジメント事業向け設備・システム市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・「地域エネルギーマネジメント事業向け設備・システム」とは、対象区域・地域において統合的に設備・機器の制御やエネルギー供給を行う設備・システムを指す。代表的な設備・システムとしてCEMS(Community Energy Management System)や自営線、熱導管、水素パイプラインなどがある。

・2022年度の同市場規模は、260億円(対前年度比104.0%)と見込まれる。地域エネルギーマネジメントのインフラとして導入されている。

業界動向/事業者動向

・地域エネルギーマネジメントのプロジェクトは、エネルギー使用量の削減による環境負荷低減や災害時のレジリエンス強化といった公益性を重視して計画・実施されている。近年計画・実施されているプロジェクトは、将来的なカーボンニュートラル(脱炭素)の実現を見据えた内容が増えている。
・地域エネルギーマネジメントの取組みは、実証実験などのスモールスタートの形態で開始することが多い。プロジェクトの拡張や他都市への水平展開、地域内に分散するエネルギーリソースを活用したエネルギーマネジメントのニーズの増加などから、市場規模の拡大が見込まれる。

地域EMS接続設備・機器・システム市場

※出典  矢野経済研究所

市場環境

・「地域EMS接続設備・機器・システム」はCEMS(Community Energy Management System)などの地域エネルギーマネジメントシステムと接続されたユーザー所有・利用の設備・機器を指す。創エネ設備や蓄エネ設備、ユーザー側建物内部の設備・機器のゲートウェイとなるHEMS(Home Energy Management System)などが挙げられる。
・2022年度の同市場規模は、95億円(対前年度比118.8%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、再開発地域を中心にHEMSや太陽光発電設備、蓄エネ設備などの一括導入が軸になると見られ、非FIT型の創エネ設備・機器の導入促進に加えて、系統用蓄電池や燃料電池、EV充放電設備などの導入が広がっていくことで、更なる市場規模の拡大が見込まれる。
・創エネ設備の中で導入が進んでいるのが太陽光発電である。今後は、スマートシティに参画する事業者がコーポレートPPAモデルによる太陽光発電の導入事業を推進していく可能性がある。


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