株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【機械】22年12月
【業界アウトライン】
内閣府の「機械受注統計調査」によると、2021年度の機械受注総額は31兆8,008億2百万円(対前年度比120.1%)であった。生産年齢人口の減少による省力化・自動化ニーズの高まりから、設備投資需要は拡大する傾向にある。
内閣府の「機械受注統計調査」によると、2021年度の機械受注総額は31兆8,008億2百万円(対前年度比120.1%)であった。生産年齢人口の減少による省力化・自動化ニーズの高まりから、設備投資需要は拡大する傾向にある。
AGV(Automated Guided Vehicle)市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2022年度のAGV市場規模は、160億8,000万円(対前年度比123.8%)と見込まれる。
・AGVとは、走行時に磁気棒、磁気テープ、光学テープ、二次元コード、レーザ反射板などの誘導体が必要な無軌道無人搬送車を指す。
・同市場は、半導体不足の影響で製品供給が制限される中、画像認識方式など比較的高価な製品の出荷が堅調に推移し、市場規模は拡大基調にある。
業界動向/事業者動向
・同市場では、ユーザー側での人手不足感と設備投資需要の高まりから、省力化・自動化需要の取り込みが期待できるほか、自動車の電動化に向けた設備投資も今後一層加速するものとみられ、自動車関連メーカーやバッテリーメーカーを中心に、生産ラインの変更や増強などの需要が拡大すると見られる。
・また、賃貸型物流倉庫の増加や屋外搬送ニーズの高まりにより、床面工事が不要なタイプの比較的高価な製品の需要が拡大しているが、一方で、極力シンプルな構成とすることで製品価格を抑え、ユーザーの裾野拡大を狙った低価格製品を展開する動きも見られる。
搬送ロボット市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2022年度の搬送ロボット市場規模は、37億9,000万円(対前年度比131.6%)と見込まれる。
・搬送ロボットとは、走行時に誘導体が不要で、稼働領域内の環境地図情報と、走行時にセンサで読み取った外部環境の情報を基に、車両の自己位置を推定しながら走行する無軌道無人搬送車を指す。
・2021年度は、半導体不足の影響で製品供給が制限されたほか、新製品投入に一服感がみられたことで、これまでの拡大傾向から市場規模は縮小した。
業界動向/事業者動向
・同市場は、トラックドライバーの時間外労働時間に上限制限が導入される“物流の2024年問題”への対応から、物流現場では輸送の効率化や倉庫業務の効率化に向けて、フレキシブル性の高い搬送ロボットによる倉庫内搬送システムの構築が注目されており、市場規模は拡大基調にある。
・一方で、屋内搬送タイプでは競合が激化しているほか、原材料価格の高騰によってユーザーのコスト意識が高まっており、AGVの中でもフレキシブル性を高めた製品が登場していることから、費用対効果の面を含めて、多様化するAGVとは異なる用途開拓を提案していく必要がある。
プロフィール
InfoLounge編集部
SMBCビジネスクラブ「InfoLounge(インフォラウンジ)」は、企業経営や人材育成、法務、労務などの領域で、実務に今すぐ役立つ情報をお届けするコミュニティサイトです。著名人へのインタビュー記事や注目企業への取材レポートのほか、実務支援コンテンツ、動画、セミナー・お役立ち資料など、盛りだくさんの内容で様々な情報をお届けします。