株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【受託製造】22年12月
【業界アウトライン】
受託製造が行われる業界として、化粧品、医薬品、健康食品、飲料などがある。各業界では国内外での競争に打ち勝つために、資本を製品の企画開発・プロモーションに集中させる傾向にあり、製造のアウトソーシング化が進みつつある。
受託製造が行われる業界として、化粧品、医薬品、健康食品、飲料などがある。各業界では国内外での競争に打ち勝つために、資本を製品の企画開発・プロモーションに集中させる傾向にあり、製造のアウトソーシング化が進みつつある。
スキンケア化粧品受託製造市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2022年度のスキンケア化粧品受託製造市場規模は、1,588億円(対前年度比111.8%)と見込まれる。
・同市場では、汎用スキンケア、大容量低価格品、セカンド・サードブランドにおいて、受託製造事業者へのアウトソーシングが進んでいる。
・同市場は、外出自粛措置の解除による国内消費の回復や、渡航制限緩和による海外観光客の消費などから、市場規模の拡大が見込まれる。
業界動向/事業者動向
・化粧人口が集中する中高年女性向けアンチエイジング市場は大きいことから、機能性スキンケアを最注力分野として研究開発に取り組む事業者が多い。また、中国をはじめ、近隣アジア諸国内において日本の機能性スキンケアの人気は高く、コロナ収束の進展に伴い、再び需要の拡大が見込まれる。
・そのほか、コロナ禍で男性のケアニーズが高まっており、化粧水をはじめスキンケアを中心に拡大、浸透する流れにあることから、アパレル系ストアやコンビニエンスストア、ファブレスの企画系化粧品ブランドメーカーなどがオンラインチャネルを中心に男性用化粧品の投入に注力する動きが見られる。
ヘアケア化粧品受託製造市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2022年度のヘアケア化粧品受託製造市場規模は、741億円(対前年度比109.8%)と見込まれる。
・同市場は、コロナ禍で外出自粛や在宅勤務を起点とした生活スタイルが浸透するなど、自宅でのケアや美容に費やす時間的余裕が生じたことで、毛髪関連のスペシャルケアニーズ、頭皮や育毛、スカルプ商材などのパーソナル商材の拡充を背景に、市場規模は拡大基調にある。
業界動向/事業者動向
・ヘアケア商品は、総じてコモディティ化に陥りやすい特性があることから、受託量の大きなドラッグストア等のマスマーケット、セルフ業態向け化粧品の受託製造は、量と価格調整力を訴求した提案が中心であり、受託製造事業者の強みである瞬発力のある量的キャパシティが求められる。
・一方、理美容サロンユーザーを中心としたサロン専売品の販売伸長や、ヘアケアのパーソナル化に伴う高単価製品の購入増加を受けて、個々の毛髪コンディションに対応したパーソナル化に基づく専用ブランドや専用チャネル販売により、高付加価値化や高級化へシフトする動きも活発化している。
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