株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【ペット関連】22年12月

【業界アウトライン】
2021年度のペット関連総市場(末端金額ベース)は、1兆7,187億円(対前年度比101.8%)と見込まれる。ペットの飼育頭数が伸び悩む中、高付加価値品の提案や、猫向け商品の投入により、市場規模は微増で推移している。

ペット保険市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年度のペット保険市場規模は、1,426億円(対前年度比116.2%)と見込まれる。

・同市場は、参入事業者の保険加入件数の増加や、ペットの医療費が高額にならないように、ペット保険に加入して備えるなど、飼育者の意識の高まりから、市場規模は拡大する基調にある。

・ペット保険は、2006年の保険業法改正によって生まれた新しい保険商品であるものの、今後も市場規模は拡大すると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、新たにペットを家に迎える飼育者を対象として、ペット専門店やホームセンターなどの生体販売店を保険販売の代理店として保険商品の販売がなされているほか、保険商品の価格面を重視する飼育者を対象に、インターネットを利用した保険商品の販売も見られる。
・今後は、ペットへの健康意識の高まりから、ペット保険で高額な治療費を払う飼育者が増加すると見込まれる。事業者の中には、検査項目やAI技術を用いて病気を予測するサービスや高齢ペット向けの保険商品を展開するなど、他社との差別化を図ることで、新規顧客の獲得を目指す動きも見られる。

ペット葬送市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2022年度のペット葬送市場規模は、340億円(対前年度比99.5%)と見込まれる。
・同市場は、近年は微減基調で推移しているものの、ペット葬送の認知度が高まることで、今後は微増基調で推移すると見込まれる。
・一方で、同市場は国による規制がないことから、参入のハードルは低いものの、地方自治体の中には、条例を設けて規制を行う動きも見受けられる。

業界動向/事業者動向

・近年、ペットを家族の一員とする風潮が強まるなか、亡くなったペットの傍にいたいという飼育者のニーズもあり、事業者のなかには葬送サービスの一つとして、ペットを模った遺灰入れやペットの遺骨を練り込んだオーナメントなど、様々な葬送関連用品を展開する動きが見られる。
・一方で、悪質事業者による多額の費用請求や、利用者が必要としていないサービスを無理に付帯するなどのトラブルや、動物用火葬場や墓地の建設による近隣住民とのトラブルも見られることから、事業者には利用者が安心してペットを葬送できる、健全なサービスを提供することが求められる。

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