株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【卸売・小売】22年12月

【業界アウトライン】
2021年度の外食産業(中食業態含む)の市場規模は、27兆412億円(対前年度比105.8%)となった。コロナ禍という新しい生活様式によって、業態転換や新業態への取り組みなどがさらに活発化することが見込まれる。

カフェ市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年度のカフェ市場規模は、1兆7,295億円(対前年度比107.0%)と見込まれる。

・同市場は、コロナ禍での外出自粛、テレワークの浸透などで繁華街やオフィス街の人手が大きく減少したことから、都市部にあるセルフサービス型カフェの売上高などが減少した。その一方で、郊外や住宅街にあるフルサービス型のカフェは、密が生じづらいこともあり、利用者は増加する傾向にある。

業界動向/事業者動向

・同市場は、都市部を中心にセルフサービス型の店舗が多く見られたが、近年では、バリエーション豊かなメニューと長時間の滞在を前提とした店舗づくりにより、家族層やシニア層など幅広い顧客を取り込むことができるうえ、比較的単価の高いフルサービス型の店舗が増加する傾向にある。
・また、近年ではコンビニエンスストアなどの他業種がコーヒーの販売に注力する動きもあることから、事業者のなかには、希少なコーヒー豆の提供や上質感や特別な空間・体験にこだわった高級業態の展開により、さらなる顧客の獲得を図る動きも見られる。

持ち帰り弁当・惣菜店市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2022年度の持ち帰り弁当・惣菜店市場規模は、10兆228億円(対前年度比102.5%)と見込まれる。
・同市場は、コロナ禍による売上減少などの影響はあるものの、単身世帯や共働き世帯や、外食から惣菜、中食への持ち帰り需要を対象とした商品の投入により、市場規模は堅調に推移している。
・一方で、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、外食チェーンとの競合も見受けられる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、特にデパ地下や駅ビルなどの総菜専門店が、高い客単価が見込まれる駅周辺や百貨店などのロケーションにおいて、質の高い総菜を必要な量だけ手頃な価格で提供することで、市場規模を拡大している。
・その一方で、近年はスーパーマーケットやコンビニエンスストアが、弁当や総菜などの商品開発に注力する動きが見られるほか、テイクアウト専門店やデリバリーサービスの増加により利用者の選択肢が拡大するなど、これまでとは異なる市場環境も形成されつつある。


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