株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【食品】22年12月

【業界アウトライン】
2021年度の飲料総市場規模は、4兆8,150億円(前年度比101.0%)であった。新型コロナウイルスの影響が長期化する中で、特に消費者の健康管理意識の高まりに対応する「健康性」の機能が明確な商品の需要が増加する傾向にある。

コーヒー飲料市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年度のコーヒー飲料市場規模は、7,500億円(対前年度比103.4%)と見込まれる。

・ここでいうコーヒー飲料とは、チルド商品やインスタントコーヒーを除く、リキッドタイプ(缶・PETボトルコーヒーなど)のコーヒー商品を指す。

・同市場は、コロナ禍における健康志向の高まりから、無糖ユーザーの増加により、ブラックコーヒーの需要も増加しつつある。

業界動向/事業者動向

・同市場では、リキャップが可能なPETボトルコーヒーが市場規模を拡大しつつある。また、事業者のなかには、ブラックコーヒーのラインナップの強化や既存ブランドのリニューアルにより、他社との差別化を図ることで更なる販路拡大を目指す動きも見られる。
・そのほか、缶コーヒーの市場規模は微減で推移しているものの、事業者には、メインユーザーとなる40代から50代へのアプローチを強化する動きや、若年層をターゲットにした、人気アニメとのコラボレーションによるキャラクター缶の展開など、顧客獲得に向けた様々な動きが見られる。

紅茶飲料市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2022年度の紅茶飲料市場規模は、1,720億円(対前年度比101.8%)と見込まれる。

・同市場は、コロナ禍の影響から、数量ベースでは減少傾向で推移したものの、ユーザーの健康志向の高まりから無糖紅茶への注目が集まりつつある。

・なお、紅茶飲料は手軽に飲めるメリットがあるものの、家庭内では、現在もティーバックや茶葉から抽出する手入れ紅茶の需要が高いと見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、2019年度までは、紅茶専門店の拡大のほか、タピオカミルクティーブームなどで、紅茶の新しい楽しみ方を提供することで、既存のユーザーだけではなく、それまで紅茶を飲用してない層に紅茶の魅力や価値を訴求する動きが見られた。
・2020年度以降は、コロナ禍の影響により市場規模が縮小基調で推移したものの、無糖紅茶の需要の高まりから、事業者のなかには無糖紅茶を軸とした商品ラインナップを展開することで、既存ユーザーのほかに、これまで緑茶系飲料を飲用していた新規ユーザーの獲得を図る動きも見られる。

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