株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【医療関連ビジネス】22年12月
【業界アウトライン】
厚生労働省の「令和4年版厚生労働白書」によると、PHR(個人の健康・医療・介護の情報)サービスの利活用の促進に向けて、より高いサービス水準を目指すガイドラインを2030年度以降に策定することを目指すとしている。
厚生労働省の「令和4年版厚生労働白書」によると、PHR(個人の健康・医療・介護の情報)サービスの利活用の促進に向けて、より高いサービス水準を目指すガイドラインを2030年度以降に策定することを目指すとしている。
生活習慣病管理アプリ市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2022年度の生活習慣病管理アプリ市場規模は、6億円(対前年度比125.0%)と見込まれる。
・ここでいう生活習慣病管理アプリとは、主に糖尿病や高血圧症を対象疾患として、血糖値や血圧などのバイタルデータの記録が可能なアプリを指す。
・近年は、高齢者におけるスマートフォン保有率の上昇や新たなアプリの上市などを要因として市場は伸長しており、今後も各社の事業拡大により市場規模の拡大が見込まれる。
業界動向/事業者動向
・同市場は、糖尿病関連機器事業者や製薬関連事業者のほか、スタートアップ事業者の参入も見られる。特に、スタートアップ事業者は、個人向けアプリの他に、医療機関向けプラットフォームや健康保険組合や自治体向け事業など、幅広く事業を展開する動きが見られる。
・なお、同市場は、医療機関からプラットフォーム利用料を徴収する、医療機関向けの展開が多く見られる。本アプリは、保険償還や患者からの利用料徴収が無いため、医療機関の負担は増加するものの、診療の質の向上や他医療機関との差別化の観点から、今後も導入する動きが継続すると見込まれる。
認知症予防・認知機能関連サービス市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2022年度の認知症予防・認知機能関連サービス市場規模は22億円(対前年度比122.2%)と見込まれる。
・ここでいう認知症予防・認知機能関連サービス市場とは、血液検査による軽度認知障害やアルツハイマー認知症のリスク評価、およびWEBなどを通じて認知機能のチェックや機能低下を予防するトレーニングを提供するサービスを指す。
業界動向/事業者動向
・同市場は、高齢化に伴い認知症患者の増加が見込まれていることや、家族の介護負担の重さや医療・介護費の高さなど社会的損失が大きいこともあり、潜在的な市場は大きいと見込まれる。そのため、検体検査サービス事業者やIT事業者、スタートアップ事業者など様々な業種の新規参入が見られる。
・その一方で、認知症予防や認知機能チェックサービスは、収益化の難しさを指摘されており、事業者の中には、生命保険会社の保険商品へのアプリの提供や、アプリを食品・サプリメント事業者やフィットネス事業者などが提供するサービスの効果測定に活用するなど、他業種と協業する動きも見られる。
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