株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【ICT】22年9月
【業界アウトライン】
総務省の「令和4年版情報通信白書」によると、2020年の民間企業設備投資に占める情報化投資比率(電子計算機・同付属装置、電気通信機器、ソフトウェアに対する投資)は17.8%(前年比1.1ポイント増)であった。
総務省の「令和4年版情報通信白書」によると、2020年の民間企業設備投資に占める情報化投資比率(電子計算機・同付属装置、電気通信機器、ソフトウェアに対する投資)は17.8%(前年比1.1ポイント増)であった。
ブロックチェーン活用サービス市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2021年度のブロックチェーン活用サービス市場規模は、783億円(対前年度比188.7%)と見込まれる。
・ここでいうブロックチェーンとは、①P2Pネットワークを利用し、②データの改ざんができないため真正性が保証され、③記録されたデータは消去されることなくトレーサビリティが可能であり、④透明性の高い取引ができる仕組みを指す。
業界動向/事業者動向
・同市場では、金融分野の中でも特に証券領域でセキュリティトークンを活用した資金調達に係る実証実験が登場した。一方、非金融分野では、商流管理における活用や、マイナンバーと分散型のデジタルIDを紐づけた個人認証に加え、最近ではゲームやスポーツなどの分野を中心にコンテンツをNFT(非代替性トークン)化、マーケットプレイスで提供を開始する動きがあり、今後の広がりに注目が集まる。
・ブロックチェーンは当初、仮想通貨の基盤技術として金融業界を中心に注目が集まったものの、非金融分野での活用可能性が明らかになるにつれ、実証実験や事業化に向けた動きが活発化してきている。
ERP(Enterprise Resource Planning)パッケージライセンス市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2021年のERPパッケージライセンス市場規模は、1,287億円(対前年度比110.1%)と見込まれる。
・ERPとは、基幹業務データを統合するシステムを構築するためのパッケージソフトウェアを指す。
・同市場は、2021年にはコロナ禍の影響を脱し、ユーザーのDX機運の高まりから、レガシーシステムのリプレイスや経営基盤の再構築が進み、市場規模は拡大基調にある。
業界動向/事業者動向
・同市場では、従来はオンプレミス型が主流だったが、昨今はIaaS(Infrastructure as a Service)・PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Service)を利用したERPのクラウド化が進みつつある。
・新しい動きとして、一部のERPパッケージベンダーがSDGsの重要性が高まる中で、ERPが扱う財務情報とCO2排出量などの非財務情報を一元的に管理し、ユーザーのESG経営を支援するソリューションの提供を始めている。
プロフィール
InfoLounge編集部
SMBCビジネスクラブ「InfoLounge(インフォラウンジ)」は、企業経営や人材育成、法務、労務などの領域で、実務に今すぐ役立つ情報をお届けするコミュニティサイトです。著名人へのインタビュー記事や注目企業への取材レポートのほか、実務支援コンテンツ、動画、セミナー・お役立ち資料など、盛りだくさんの内容で様々な情報をお届けします。