株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【マテリアル】22年9月

【業界アウトライン】
経済産業省の「2022年版ものづくり白書」によると、AI・バイオ・量子技術・環境に続く重要戦略の一つに、マテリアル・イノベーションを創出するための政府戦略として「マテリアル革新力強化戦略」が策定された。

マテリアルDX(デジタル・トランスフォーメーション)市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2025年のマテリアルDX市場規模は、2,192億円と見込まれる。

・マテリアルDXとは、従来の技術者の知識や経験に依存した原理主導型材料開発とは異なる新しい市場で、実験データの蓄積やデータマイニングなどのデータ処理及び機械学習などを用いてデータ解析を行い、材料開発の高度化・効率化を目的とする、データ駆動型の材料開発技術の総称である。

業界動向/事業者動向

・マテリアルDXは、アメリカやEU、中国において本格的な研究が進められており、日本においても行政機関や産業界、学術機関において、研究開発プロジェクトによる支援などを通じてデータ駆動型研究開発のためのツール(マテリアルDXプラットフォーム)の開発が進められている。
・日本は、現在も基礎研究分野で高い国際競争力を維持しており、良質な材料データも蓄積されている。また、基礎研究と産業を融合させるという点でも優れた実績があることから、科学技術イノベーションの底上げのためにも、材料開発・研究などの基礎研究分野を基にしたマテリアルDXが求められる。

3Dプリンタ材料市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2021年の3Dプリンタ材料世界市場規模は、3,112億円(対前年比119.3%)と見込まれる。
・3Dプリンタは、材料を付着することによって物体を3次元形状の数値表現から作成するプロセスであり、材料の付着方法や供給方法により、7つの製造方式に分類される。
・このうち、本レポートでは、材料押出、粉末床溶融結合、液槽光重合、材料噴射の4つの製造方式で使用される樹脂と金属を対象としている。

業界動向/事業者動向

・同市場は、コロナ禍の影響から3Dプリンタを用いた試作品制作向け材料が低調ではあったものの、マスクやフェイスシールド向け材料や巣ごもり生活が続く中でDIYやホビー向け材料の需要が拡大したほか、治工具や実部品で使用する樹脂粉末材料の需要が拡大した。
・なお、国内・国外に限らず、事業者の中には、材料開発のみならず、3D造形の設計支援やシミュレーション、試験・評価などのサービスを提供するなど、ユーザーのサポート機能を強化するとともに、自社の材料技術と組み合わせた新たな提案を行うなど、他社との差別化を図る動きも見られる。


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