株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【自動車】22年9月

【業界アウトライン】
経済産業省の自動走行ビジネス検討会によると、無人自動運転移動サービスの本格的な普及に向けて、技術開発や環境整備、社会受容性の向上などの取り組みを基に、2030年度を目途に100か所以上での実現を目指すとしている。

業務車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2021年の業務車両/MaaS車両向けコネクテッドサービス市場規模は、260億6,000万円(対前年比102.4%)と見込まれる。

・ここでいう業務車両/MaaS車両向けコネクテッドサービスとは、ドライブレコーダーや運行動態把握システムなどのコネクテッド端末を搭載した、商用車や配送ロボット、次世代モビリティ(電動キックボードなど)に提供されるサービスを指す。

業界動向/事業者動向

・同市場は、以前より業務車両を対象に、製造事業者独自の純正コネクテッド端末が搭載されていた。近年は、業務用車両の製造事業者が連携して開発した統合プラットフォームに紐づいた、ドライブレコーダーや運行動態管理システムなどのトラッキング端末の設置が進められている。
・一方で、業務用車両向けに独自のドライブレコーダーや運行動態管理システムを提供してきた事業者にも参入の余地があるものの、新たに海外事業者が参入する動きも見受けられることから、事業者には、コネクテッドサービスを活用したビジネスモデルを早期に打ち出すことが求められる。

テレマティクス保険市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2021年度のテレマティクス保険市場規模は、2,260億円(対前年度比107.6%)と見込まれる。
・テレマティクス保険とは、損害保険会社がコネクテッドカーや通信型ドライブレコーダー(ドラレコ)、スマートフォンなどの自動車に搭載された通信機器を介して得られる走行距離や運転挙動等の情報を基に、保険料割引や安全運転支援を提供する保険商品やサービスである。

業界動向/事業者動向

・同市場について、損保各社はドラレコなどを介して保険を提供してきたものの、同保険の普及率は自動車保険料全体の5.3%(21年度時点)に留まる。しかしあおり運転の社会問題化を機にドラレコ自体に注目が集まっており、損保各社はテレビCMを中心にテレマティクス保険の認知度向上を図っている。
・将来的には、コネクテッドカーの普及に伴い、事業者は事故対応に必要なデータを直接収集できなくなる可能性がある。またレベル5の自動運転の普及を見据えると、事故原因が複雑化する可能性もあることから、今後事業者は実情に即した保険への変化に迫られるとみる。


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