株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【教育】22年6月

【業界アウトライン】
文部科学省「令和3年度学校基本調査」によると、高等学校等卒業者の高等教育機関(大学・短大・専修学校等)への進学率は83.8%(対前年度比100.3%)、大学(学部)卒業者の大学院進学率は11.8%(対前年度比100.5%)であった。

リカレント教育市場


※出典  ①矢野経済研究所

     ②文部科学省 学校基本調査


市場環境

・2021年度のリカレント教育市場規模は467億円(対前年度比107.1%)と見込まれる。
・リカレント教育とは、生涯学習とは異なり、主にビジネスや職業に生かすための知識・スキルの取得、学び直すための教育と位置付けられている。
・同市場は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響はあるものの、特にオンラインで完結するプログラムの学習者数の増加から、市場規模も拡大する傾向にある。

業界動向/事業者動向

・同市場では、IT・デジタル系人材育成に関連するリカレント教育プログラムが好調に推移している。特に大学では、少子化による学生数の減少を補填する目的で、IT・デジタル系人材の養成に資するプログラムを新たに開設し、社会人学生の獲得に注力する動きも見られる。
・現状、リカレント教育は、認知度が低いことや、職を離れて学び直すことに対する社会的風土が醸成されていないなどの課題はあるものの、業務上や社会で求められるスキルの変化や、これに伴う自身のキャリアプランの見直しなどを背景に、今後も需要が増加すると見込まれる。

ネットワーク・ラーニングサービス(BtoB)市場


市場環境

・2021年度のネットワーク・ラーニングサービス(BtoB)市場は971億3,000万円(対前年度比112.6%)と見込まれる。
・同市場は、人材育成投資の活発化や働き方改革の推進による業務効率化及びテレワークの浸透、スマートフォンやタブレット端末の一般化など、様々な外部環境の変化を背景に、ユーザー数が増加する傾向にある。

業界動向/事業者動向

・同市場では、新型コロナウイルス感染症の発生当初に、法人の集合研修や対面教育などの代替サービスとしてネットワーク・ラーニングを導入したユーザーが、現在利用しているサービスの費用対効果を検証して、新たに、自社に最適なネットワーク・ラーニングサービスを模索する動きが見受けられる。
・なお、中堅・中小事業者での小規模かつ短期間のサービス導入の増加による顧客単価の低下や、コロナ禍発生当初に比べて需要の落ち着きがみられることから、市場規模の伸長率は鈍化するものの、サービスのリピート利用及び新規導入ユーザー数の増加から、市場は引き続き成長していくと見込まれる。


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