株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【食品】22年6月
【業界アウトライン】
農林水産省の「令和2年農業・食料関連産業の経済計算(概算)(2022年3月29日公表)」によると、令和2年における農業・食料関連産業の国内生産額(概算額)は109兆53億円(対前年比92.1%)であった。
農林水産省の「令和2年農業・食料関連産業の経済計算(概算)(2022年3月29日公表)」によると、令和2年における農業・食料関連産業の国内生産額(概算額)は109兆53億円(対前年比92.1%)であった。
代替タンパク質市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2021年の代替タンパク質市場規模は、60億5,000万円(対前年比190.5%)と見込まれる。
・ここでいう代替タンパク質とは、植物由来肉、培養肉、植物由来シーフード、培養シーフード、昆虫タンパクを指す。
・現在、各国において、食料安全保障や持続可能な食糧生産の観点から、肉や魚介類などに代わる代替タンパク質の研究開発が進められている。
業界動向/事業者動向
・植物由来肉・植物由来シーフード市場では、大手事業者やスタートアップ事業者の参入が継続しているほか、製造拠点を拡大する動きもみられる。その一方で、培養肉・培養シーフード市場では、培養技術などで基礎研究が必要な段階であるほか、昆虫タンパク市場では、消費者の需要性向上や生産コストの低減などの課題がある。
・現状、代替タンパク質は消費者の関心を集めつつある。しかしながら、市場規模のさらなる拡大には、製品や情報へのタッチポイントを増加させ、引き続き消費者の理解を得ることが求められる。
パーソナライズフード市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・パーソナライズフードとは、顧客の嗜好や健康状態に合わせてパーソナライズした食品(食事)を提供する事業である。同市場は、ここ数年で参入事業者が増加した新しい市場で、主にスタートアップ事業者によりサービスが提供される。
・同市場は食品業界からの注目度も高く、今後も新規参入事業者が増加すると見込まれる。
・2020年度の同市場規模は、18億円と見込まれる。
業界動向/事業者動向
・同市場では、主に健康管理や体づくりを目的とした食事(弁当・野菜系飲料・軽食など)やベビーフード(離乳食・乳児食)、嗜好品(コーヒー・菓子など)が提供されている。提供方法は、個人向けのサブスクリプション形式(定期購入型)が主流であり、提供事業者の自社ECサイトによるD2C(Direct to Consumer)ブランドの展開が見られる。
・そのほか、パーソナライズフードの参入カテゴリーには、コーヒーや冷凍宅配食品などの成長市場が多く見られることから、事業者の新規参入により市場規模も拡大すると見込まれる。
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InfoLounge編集部
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