株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【環境】22年6月
【業界アウトライン】
経済産業省資源エネルギー庁によると、令和2年度の固定価格買取制度における再生可能エネルギー発電設備を用いた発電電力量の買取実績は、1,036億3,525万キロワット(対前年度比114.7%)であった。
経済産業省資源エネルギー庁によると、令和2年度の固定価格買取制度における再生可能エネルギー発電設備を用いた発電電力量の買取実績は、1,036億3,525万キロワット(対前年度比114.7%)であった。
CCUS(CO2回収・利用・貯留)市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・CCUS(回収・有効利用・貯留=Carbon dioxide Capture, Utilization or Storage)とは、火力発電所や工場などからの排気ガスに含まれるCO2を分離・回収し、資源として作物生産や化学製品の製造に有効利用する、または地下の安定した地層の中に貯留する技術を指す。
・今後は、脱炭素化に向けて、CCUS技術の活用によるCO2排出量の削減が期待される。
業界動向/事業者動向
・同市場は、一部でCO2分離・回収設備が実用化されているものの、実証段階のプロジェクトが多く見られる。北海道で実施された大規模CCS(回収・貯留)プロジェクトでは、貯留技術の実証試験が2019年に完了しており、2021年からはCCUSの社会実装に向けた、CO2輸送の実証事業が実施されている。
・その一方で、日本は貯留により削減できるCO2は限定的と見込まれるほか、回収したCO2の利用にはカーボンリサイクル技術が必要不可欠となる。このため、日本においてCCUSが本格的に発展するのは、カーボンリサイクル技術が普及を始める2030年頃と見込まれる。
リチウムイオン電池リサイクル市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2021年のリチウムイオン電池リサイクル世界市場規模は重量ベースで4万6,800tと見込まれる(対象はCo、Ni、Li)。
・現在の市場は、電池メーカーや自動車メーカーで発生したリチウムイオン電池製造工程のスクラップやR&D製品のリサイクルが大半を占めている。
・今後、xEVの回収体制整備に伴い、徐々に廃棄リチウムイオン電池由来のリサイクルが増加すると見込まれる。
業界動向/事業者動向
・同市場は、回収される有価物の純度や回収率を向上などの技術課題はあるものの、現状は、リチウムイオン電池の生産体制の増強計画や廃棄リチウムイオン電池の発生量の増加を見据えた先行投資が中心と見受けられる。
・また、xEV市場の成長に伴うリチウムイオン電池需要の増加への対応を見据えて、車載用リチウムイオン電池製造事業者が生産体制の強化を推進する動きも見られることから、今後もリサイクル市場規模は拡大すると見込まれる。
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