株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【住宅】22年6月

【業界アウトライン】
国土交通省「建築着工統計」(2021年度計)によると、2021年度の新設住宅着工戸数は865,909戸(対前年度比106.6%)、新設持家着工戸数は281,279戸(対前年度比106.9%)で、どちらも3年ぶりに増加した。

サブスクリプションサービス(多拠点居住)市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2021年度の多拠点居住サービス市場規模は、2億5,000万円(対前年度比128.9%)と見込まれる。

・同市場における「多拠点居住」とは、短期間に住み替える、もしくは複数の住居に自由に住み替えることができる、個人向け住居提供サービスを指す。

・また、同市場は2018年頃から開始された新しいサービスであることから、今後、本格的な市場が形成されると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、リモートワークなどの働き方が多様化したことで、サービス利用者数が増加する傾向にある。これにより、参入事業者数も増加する傾向にあるほか、事業者のなかには地方自治体と連携をするなど、事業規模の拡大に向けた動きも見られる。
・そのほか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、利用者の減少が見られた鉄道や航空などの交通機関と連携して、「移動+多拠点居住」をセットで提供するサービスを共同開発・実施するなど、新たな顧客層の獲得を目指す動きも見られる。

中古住宅市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2021年度の中古住宅流通市場規模は、4兆7,000億円(対前年度比113.5%)と見込まれる。
・同市場は、昨今の新築価格の高騰・高止まりによる、中古住宅需要の増加の影響から、市場規模が拡大基調にある。
・今後、住居に対する価値観の多様化などを背景に、リノベーションを前提とした中古住宅の購入などが増加すると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、中古住宅に対する認知度の高まりや、新築と比較して相対的に割安な中古住宅に対する需要が増加しているほか、コロナ禍を背景とした在宅時間の長期化の影響から、広さや快適性を求めて、賃貸から中古住宅へ住み替える動きもみられることから、市場規模も拡大する傾向にある。
・その一方で、外出自粛や感染リスクを回避するために、不動産の売却機運の低下などの影響から、市場における中古住宅の在庫数が減少した。これにより、市場は需要超過状態となり、現在も中古住宅価格が上昇傾向で推移している。

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