株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【ICT】22年3月

【業界アウトライン】
総務省の「令和3年版情報通信白書」によると、デジタル化の推進にあたり、生産性の向上や新たな付加価値の創出だけではなく、感染症や自然災害に対応できるレジリエンスを確保することも重要としている。

音声認識市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2021年度の音声認識市場規模は、131億円(対前年度比114.9%)と見込まれる。

・ここでいう音声認識市場とは、①音声認識エンジン、②音声認識に関連するソフトウェアやサービス、③音声認識を利用するハードウェア、を含む。

・同市場は、近年のコールセンター業界でのDX推進の高まりや、オペレーターの在宅勤務化への対応などを背景に、音声認識システムを導入する動きが活発化している。

業界動向/事業者動向

・音声認識とは、音声データをテキストデータに変換する技術である。同技術は、1962年に世界初の音声認識システムが発表されるなど技術研究の歴史は長い。近年、精度が大きく向上し多くの事業者で製品化が進められている背景には、ディープラーニング技術の発展の影響がある。
・コロナ禍によってビジネスにおけるオンライン化が進展し音声データの利用機会が増加していることに加え、音声入力による省力化や働き方改革によるニーズの高まりから、ユーザーのDX化を支援する技術の一つとして導入がさらに進むと見込まれる。

河川IT(社会インフラ)市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度の河川IT(社会インフラ)市場は153億円(対前年度比102.7%)と見込まれる。
・現在、ICTを活用した河川管理は、河川管理・防災目的での流量や水位、降雨量の定点監視などがある。また法面監視の仕組みも検討されている。
・そのほか、今後はICTを活用した河川管理施設の稼働状況や老朽化モニタリングソリューション需要の増加が見込まれる。

業界動向/事業者動向

・河川ITは、主要河川で水位監視や監視カメラソリューション、テレメーターなどが導入されているほか、水門や樋門・樋菅、中央管理施設などの施設管理関連でもIT活用が進められている。
・また、国が主導して河川管理へのIT活用を進めており、オープンイノベーションによるIT技術と河川管理技術の研究開発がなされているほか、国土交通省ではセンサー技術やビックデータ解析などのITテクノロジーと従来の維持管理技術・ノウハウを融合させたアプローチが進められている。


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