株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【アパレル】22年3月

【業界アウトライン】
2020年のアパレル市場規模は、小売金額ベースで7兆5,158億円(対前年比81.9%)であった。チャネル別の市場規模では、通販分野が前年より市場規模を拡大していることから、今後もECチャネルなどの販路強化が進むとみられる。

紳士服・洋品(メンズスーツ等)市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年の紳士服・洋品(メンズスーツ等)小売市場規模は2兆517億円(対前年比80.6%)と見込まれる。

・同市場は、コロナ禍におけるオケージョン需要の減少のほか、リモートワークの拡大によるビジネス着のカジュアル化が加速したことで、スーツウエアの消費の減退傾向が強くなった。

業界動向/事業者動向

・同市場では、大手SPA(生産機能を持つアパレル専門店)で手ごろなジャケットやパンツを購入ができるという認知の拡大から、従来の販売チャネルである百貨店や量販店、郊外型店舗などでは、品ぞろえや低価格だけでの集客が難しくなりつつある。
・このような中、企業でリモートワークが推進されたことにより、ユーザーにおいては、ウォッシャブルやストレッチ性などの高機能素材を利用したスーツのニーズがあったが、コロナ禍でより強くなった。事業者の中には、高機能素材を利用したスーツのラインナップを強化する動きもみられる。

ジーンズ製品市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年のジーンズ製品市場規模は3,256億円(対前年比81.9%)と見込まれる。
・ここでいうジーンズ製品は、デニム生地を使用したボトムス製品全般を指す。
・ジーンズカジュアル専門店で取り揃えているナショナルブランド製品が、90年代後半から低迷している。現在、消費者の低価格志向の強まりから、価格訴求力の高いSPAの他、セレクトショップにユーザーが移行する動きもみられる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、外出自粛や企業のリモートワーク推進によるユーザーの生活様式の変化に伴い、本来のデニム生地を使用した高価格ジーンズよりも、ストレッチ性の高い高機能性や履き心地の良い素材を用いた低価格ジーンズの消費が増加しつつある。
・また、従来の中心価格帯であった8,000円~10,000円の中価格ジーンズは、低価格ジーンズのニーズが再び高まることで縮小しており、現在は低価格ジーンズと高価格ジーンズの二極化が進んでいる。

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