株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【医療】22年3月

【業界アウトライン】
厚生労働省では、令和4年度(2022年度)診療報酬改定の基本方針として、新型コロナウイルス感染症等にも対応できる効率的・効果的で質の高い医療提供体制の構築を、重点課題の一つに掲げている。

遠隔医療市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2021年度の遠隔医療市場規模は197億8,300万円(対前年度比108.8%)と見込まれる。

・ここでいう遠隔医療市場とは、遠隔画像診断(読影サービス、インフラサービス)、遠隔病理診断関連(病理システム、バーチャルスライドスキャナ)、オンライン診療システムを対象とする。

・なお、遠隔画像診断や遠隔病理診断関連は病院、オンライン診療システムはクリニックが市場の中心となっている。

業界動向/事業者動向

・同市場で最も大きい市場である遠隔画像診断分野は、事業者が多数参入するなど、市場として成熟期を迎えつつある。近年では、画像診断支援AIの開発が進み、健診や検診等での利用も注目されていることから、今後は、遠隔画像診断におけるAIの活用の動きが加速すると見込まれる。
・なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、オンライン診療システムのほか、集中治療医不足や医療の地域格差の解消が見込まれる遠隔ICU(Tele-ICU:Intensive Care Unit)など、新たな遠隔医療システムを提供する動きもみられる。

酸素マスク・カニューラ市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2021年度の市場規模は、29億2,800万円(対前年度比102.4%)と見込まれる。
・酸素マスクは、患者の気道に空気・酸素ガスを供給することを目的とした鼻と口に設置する柔軟な円筒型の器具である。酸素供給用カニューラは、両外鼻孔経由で患者に酸素を供給するために用いる半剛性の管及びプロングを指す。
・2022年度の市場規模は、29億3,200万円(対前年度比100.1%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、人工鼻やネブライザー、呼吸回路と共に呼吸療法製品の1アイテムとして市場が形成されており、主にクリティカル製品展開企業が多く参入している。
・現在、医療施設では診療材料のディスポーザブル化が進んでおり、2020年から拡大しつつある新型コロナウイルス感染症を契機として、今後は、在宅分野などを含め、作業の効率化や経済性、安全面を考慮し、ディスポーザブル製品を導入する施設が増加すると見込まれる。

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