株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【幼児教育】21年12月

【業界アウトライン】
2020年度の保育・幼児教育市場は、4兆7,256億円(対前年度比101.5%)と見込まれる。同市場は新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、子どもの預かり需要や教育需要の高まりから、当面は市場規模の拡大が見込まれる。

幼児英才教育市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年度の幼児英才教育市場規模は、494億円(対前年度比98.4%)と見込まれる。

・ここでいう幼児英才教育市場とは、有名幼稚園・小学校の受験を目的とした指導を行う「幼児受験教育」と、知能の開発を目的とした「知育主体型教育」を合わせた市場と定義する。

・2021年度の幼児英才教育の市場規模は、515億円(対前年度比104.3%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・2020年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、春期の新規会員獲得に向けた営業活動の自粛や、学校の休校に合わせて教室も休講を余儀なくされたことから市場規模は縮小したものの、幼児英才教育そのものの需要は高まりつつある。
・また、コロナ禍において、私立学校の充実した設備やオンライン対応力が保護者に評価されていることを背景に、私立学校への受験の需要が高まりつつあることから、今後は、幼児受験教育市場の需要がさらに高まると見込まれる。

幼児体育指導市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度の幼児体育指導市場規模は、160億円(対前年度比80.0%)と見込まれる。
・2020年度は、新規会員獲得の営業活動の自粛などにより、市場規模は大きく減少した。
・その一方で、2021年度は、宿泊を伴うイベントなどは未だ再開に至ってはいないものの、正課・課外指導については概ねコロナ以前の状況に戻りつつあることから、同市場規模は190億円(対前年度比118.8%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・近年、子どもの健康に対する親の関心の高まりなどから、幼児体育指導に対するニーズは高まりつつある。しかしながら、幼児体育指導は独自のノウハウと特殊スキルが要求されるため、新規参入が難しい市場特性を持つ。
・その一方で、フィットネスクラブやスポーツスクールでは、基礎体力向上やプロスポーツ選手を目指したレッスンなど、特徴のあるレッスンをラインアップすることで、幼児・子供向けの体育・運動関連サービスとして市場に参入する動きもみられる。

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