株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【農業・園芸】21年12月

【業界アウトライン】
スマート農業は、従来はITベンダーが独自に事業を進める動きがみられたが、近年はICTメーカーと農機メーカーが連携してトラクター作業データの共有化が展開されるなど、他業種と協業・連携を積極的に進める動きがみられる。

農業用ドローンソリューション市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年度の農業用ドローンソリューション市場規模は、12億2,700万円と見込まれる。

・農業用ドローンは、農薬散布、肥料散布、播種(種まき)、受粉、収穫物運搬、センシング、鳥獣被害対策などでの活用が期待されている。

・2021年度は、農林水産省の普及計画や農業用ドローンの利用規制の緩和などの影響から、市場規模は、36億3,400万円(対前年度比296.0%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・日本では、従来農薬散布等にラジコンヘリが用いられてきたが、精密な飛行のために高度な操縦技術が求められてきた。その一方で、農業用ドローンは安価で操縦の難易度が低いなど、従来よりも低負担で農薬散布が可能であることから、農業現場より注目をされている。
・なお、事業者のなかには、農薬散布以外にも取得した空撮画像データから、広範囲にわたる農作物の生育情報の取得や適正な農薬散布量を算出する取り組みも行われているほか、ドローン散布用肥料の開発やドローン積載量の増加、播種の均一散布技術の向上などに取り組む動きもみられる。

農業用ロボット市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度の農業用ロボット市場規模は、2億4,000万円と見込まれる。
・ここでいう農業用ロボットとは、設備型ロボット、マニピュレータ型ロボット、アシスト型ロボットと定義する。
・これまで、同市場は研究開発や実証実験を中心に展開されていたものの、2021年度より無人散布機の本格的な商業販売が開始された。

業界動向/事業者動向

・同市場では、無人農薬散布車や収穫ロボット、パワーアシストスーツなどの販売や開発が進められているものの、初期投資費用が高く、経営体力が弱い中小生産者が導入する際の障壁となっている。
・このため、事業者のなかには、生産者に農業用ロボットを販売するのではなく、初期費用とメンテナンス費用をパッケージ化した農業用ロボットのレンタルサービスや、農業用ロボットを活用した農作業の受託サービスなどを提供する動きもみられる。

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