株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【レジャー】21年12月

【業界アウトライン】
2020年度のアウトドア市場(アパレル・用具・施設・レンタル)は、2,954億6,700万円(対前年度比95.4%)と見込まれる。緊急事態宣言に伴う外出自粛などの影響によりアパレル市場が縮小したことから、市場全体が縮小に転じた。

アウトドア用具市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年度のアウトドア用具市場規模は、774億9,300万円(対前年度比102.3%)と見込まれる。

・新型コロナウイルス感染症の影響から登山道の閉鎖に伴い、登山関連用具(登山・クライミング用品、フィールドギア)の販売が減少した。

・2021年度の市場規模は、登山者数の増加に伴って登山関連用具の需要回復によって、814億5,000万円(対前年度比105.1%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場では、自宅のベランダや庭でアウトドアを楽しむ“ベランピング”の需要が創出された。ベランピングは、新型コロナウイルス感染症の特需とも位置付けられる動向ではあるものの、感染拡大の終息後もアウトドアの一つのアクティビティとして期待がされている。
・2021年度は、新型コロナウイルスの感染予防対策として、山小屋の使用定員上限の引き上げなどのルールが設けられたものの、前年度に閉鎖をした登山道や山小屋の再開により、登山者数が回復する傾向にあることから、登山関連用具の需要も回復すると見込まれる。

アウトドア施設市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度のアウトドア施設市場規模は、234億6,000万円(対前年度比84.9%)と見込まれる。
・近年、同市場は好調に推移していたが、2020年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、人数制限や休業などによって市場規模が縮小した。
・2021年度の市場規模は270億3,500万円(同115.2%)と見込まれる。引き続き感染対策を講じた上での運営となるが、2019年度と同水準まで回復するとみられる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、2010年代前半から、第二次キャンプブームと称されるほどアウトドア人気が高まりつつあり、従来のキャンプなど日常とは離れた環境で自然を楽しむとは別に、シャワーや水洗トイレ、電源等が整備され、スマートフォンの電波も届くような最新のアウトドア施設が増加する傾向にある。
・その一方で、多くのアウトドア施設の課題として、施設設備の更新や閑散期の対応、従業員数の確保などがあげられる。特に、アウトドア施設は、自治体の所有施設も多く、薄利で営まれている施設もあることから、施設管理を担う事業者は、長期的な課題として取り組む必要がある。

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