株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【身の回り品】21年12月

【業界アウトライン】
消費者のなかにも、ジュエリーにおけるトレーサビリティやサスティナブルな企業活動などへの関心が高まりつつあり、事業者の中には、商品デザインや販売方法の工夫に加えて、SDGsへの取組みをアピールする動きもみられる。

宝飾品小売市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年の宝飾品小売市場規模は、8,195億円(対前年比83.2%)と見込まれる。

・2020年の同市場は、緊急事態宣言の発令により百貨店やショッピングセンターなどのジュエリーショップが臨時休業を余儀なくされたことや、宝飾品販売イベント催事の開催ができなくなるなどの影響から、市場規模は縮小した。

・なお、2021年の市場規模は、前年の反動から9,678億円(対前年比118.1%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景に、海外から日本への渡航が制限されたことから、百貨店や海外ブランドなどを中心としたジュエリーのインバウンド需要が大きく減少した。
・その一方で、消費者の中には結婚式や新婚旅行の中止に伴い、その予算をブライダルジュエリー消費へ移す動きもみられ、ブライダルジュエリーの市場規模は比較的堅調に推移したと見込まれる。そのほか、在宅比率の向上により、消費者にオンラインでの購買行動が浸透したことから、事業者のなかには、TVショッピングやECなどのオンライン販売を強化する動きもみられる。

宝飾卸・メーカー市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年の宝飾品卸・メーカー市場規模は4,802億円(対前年比72.6%)と見込まれる。
・ここでいう宝飾卸・メーカー市場とは、メーカー出荷および一次卸、二次卸取引を含めたものと定義する。
・2021年の市場規模は、前年の反動から5,849億円(対前年比121.6%)と見込まれるものの、長期的には市場規模は縮小すると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・近年、金地金などの宝飾品材料費の高騰が続く一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から小売事業者の販売額の落ち込みもあり、材料高騰分を卸価格へ反映しにくい状況が継続している。
・また、小売事業者のなかには、宝飾品の自社製造や、従来の店頭販売に加えてオンライン販売などの直接消費者販売を強化するなど、二次卸売事業者を必要としない販売網を構築する動きもみられる。このため、今後は事業からの撤退を余儀なくされる卸売事業者もあると見込まれる。

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