株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【冠婚葬祭】21年12月

【業界アウトライン】
総務省の住民基本台帳に基づく人口、人口動態及び世帯数(令和3年1月1日現在)によると、日本の総人口は1億2,665万人(対前年比99.6%)、うち65歳以上の人口は3,558万人(対前年比100.8%)であった。

葬祭業市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年の葬祭業市場規模は、1兆5,060億円(対前年比83.1%)であった。

・死亡人口は今後も増加することが予想されるものの、葬儀規模の縮小化に伴う葬儀単価の下落幅が大きく、同市場は、2019年を境に市場規模が縮小に転じると見込まれる。

・なお、2021年の市場規模は、前年の反動から、1兆6,179億円(対前年比107.4%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・2020年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、感染リスクの少ない直葬・火葬式などの一般葬よりも規模を縮小した葬儀形式が増加したほか、これに伴い通夜振る舞いや精進落としなど飲食に関する費用が縮小されたことから、市場規模も大きく縮小した。
・同市場は、参入しやすい業界ではあるものの、葬儀規模の縮小による単価下落などから市場環境は厳しい状況にある。そのため、参入事業者はユーザーに対して、セカンドライフを軸とした終活関連情報の提供や、葬儀時の提供商品の明確化など、他社との違いの見える化を図る取組みを行う必要がある。

葬儀花市場


※出典  ①と将来予想:矢野経済研究所
     ②:経済産業省 経済実態構造調査

市場環境

・経済産業省「経済構造実態調査報告書」によると、2020年の葬儀花市場規模は1,411億6,100万円(対前年比103.3%)であった。
・近年は、家族葬の増加や葬儀の低価格化へ推移する動きがみられるほか、2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大による葬儀規模の縮小が急速に進んだ影響から、葬儀業全体の市場規模の縮小に伴い、市場規模の伸び率も鈍化する傾向にある。

業界動向/事業者動向

・葬儀式において使用される生花製品は、主に生花祭壇、供花類、花輪、枕花などがある。なかでも生花祭壇は、以前と比べて洋花の入手が容易になったことや、より故人に合わせた演出がしやすいなど高付加価値が訴求し易い側面があることから、事業者には、ラインナップを強化する動きがみられる。
・また、事業者の中には、葬祭業市場規模が縮小傾向にあることを背景に、生花祭壇以外の新しい生花装飾の提案のほか、葬儀式のWEB配信やオンラインによる供花・弔電の受付などに、葬儀花事業者ならではの付加価値を付けたサービスを提供することで、新規顧客の獲得を目指す動きも見受けられる。


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