株式会社矢野経済研究所提供注目市場レポート【事業者向けサービス】21年12月

【業界アウトライン】
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、2021年9月の対事業所サービス業の売上高等は9兆1,353億円（同年前月比112.3％）であった。中でも、物品賃貸業（リース業）、情報サービス業、機械設計業の売上高等が伸長した。

自治体業務アウトソーシング市場

※出典矢野経済研究所

市場環境

・2020年度は、新型コロナウイルス感染症に対する様々な政策が打ち出され、問い合わせ対応や受理業務などの業務が急増したことから、市場規模は675億円（対前年度比149.3％）と見込まれる。

・2021年度は、前年度の支出が増大したとともに、税収の減少も見込まれることから、業務委託費が削減される可能性を踏まえ、市場規模は634億円（対前年度比93.9％）と見込まれる。

業界動向／事業者動向

・同市場では、住民サービスの多様化・煩雑化による業務量の増大や自治体の職員数の減少を背景に、市場規模は拡大する傾向にある。また、政府が地方行政サービスを民間団体等へ委託することを積極的に推進することも、アウトソーシングの導入が進む一つの要因として挙げられる。

・また、同市場は税収の減少に伴う業務委託費の削減の影響を受けやすいものの、従来の住民向け窓口業務や総務事務業務のほかに、紙媒体からデジタル媒体への変革による業務効率化など、DXの活用を前提とした自治体業務運営のニーズの高まりも見受けられ、市場規模は今後も拡大すると見込まれる。

新卒採用支援サービス市場

※出典矢野経済研究所

市場環境

・2020年度の新卒採用支援サービス市場は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による採用活動の一時休止や新卒採用支援サービス全般の利用機会の減少などの影響から、市場規模は1,179億円（対前年度比91.6％）と見込まれる。

・2021年度は、採用意欲の回復や求人企業・学生のオンライン慣れによる採用活動・就職活動の活発化の影響から、市場規模は1,234億5,000万円（対前年度比104.7％）に回復すると見込まれる。

業界動向／事業者動向

・同市場は、将来的な労働力や人材不足を背景に、採用予定事業者の旺盛な新卒者採用意欲に支えられながら市場規模は拡大基調で推移してきた。このようななか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、従来主流であった就職情報サイトや集合型イベントに代わるオンラインイベントの開催に加え、新卒紹介サービスやダイレクトリクルーティングサービスなどのニーズも高まりつつある。

・近年では、上記のようなニーズの変化から、サービス単位の採用支援のみならず、学生との出会いや入社後の活躍までを総合的に支援できるよう、提供するサービスの幅を広げる事業者もみられる。

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