株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【環境】21年12月
【業界アウトライン】
温暖化対策について、2021年10月22日に地球温暖化対策計画が閣議決定され、2050年のカーボンニュートラル達成への中期目標である、温室効果ガスの2030年度46%削減達成(対2013年度比)に向けた取組計画を策定した。
温暖化対策について、2021年10月22日に地球温暖化対策計画が閣議決定され、2050年のカーボンニュートラル達成への中期目標である、温室効果ガスの2030年度46%削減達成(対2013年度比)に向けた取組計画を策定した。
木質バイオマス市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・ここでいう木質バイオマス市場とは、木質ペレットや樹皮などの未利用材を燃料に、電力の供給や発電時に発生する熱を自社利用、または外部へ提供することが可能な再生可能エネルギーと定義する。
・FIT制度(再生可能エネルギー固定価格買取制度)開始以後、木質バイオマス市場は拡大する傾向にあり、2021年度の市場規模は、4,904億円(対前年度比110.9%)と見込まれる。
業界動向/事業者動向
・FIT制度の開始以前は、林業や木材加工業を担う事業者が、自社の電気や熱(蒸気)を供給するユーティリティ設備として導入していた。FIT制度の開始以後は売電を目的とする発電所の大規模化や地域の木質バイオマスの有効活用などを目的に、発電事業者による設置数が増加する傾向にある。
・また、参入事業者のなかには、ブラックペレットと呼ばれる半炭化させた木質バイオマス燃料の研究や、もみ殻などの植物・農作物非食用部の燃料化に関する研究など、バイオマスエネルギー燃料の高品質化や原料となる新たな植物の探索、栽培技術の確立を目指す動きも見受けられる。
ヒートパイプ市場
※出典 矢野経済研究所
市場環境
・2020年度のヒートパイプ市場規模は、312億8,300万円(対前年度比105.8%)と見込まれる。
・ヒートパイプとは、宇宙分野での活用を目的に開発された液体の蒸発と凝縮の潜熱を利用した熱移動技術である。従来から、鉄道や家電などの民生品の熱対策に活用されてきたが、近年では、省エネやCO₂削減の手段としての活用も広がりつつある。
・2021年度の市場規模は316億2,700万円(対前年度比101.1%)と見込まれる。
業界動向/事業者動向
・ヒートパイプは、国内の様々な分野で活用されており、市場構成は冷蔵庫(構成比33%)、エアコン(構成比26%)、パソコン(構成比16%)、スマートフォン(構成比9%)、タブレット(構成比8%)、その他(サーバー・鉄道・融雪設備用)(構成比8%)である。
・その一方で、一部の家庭用・業務用の冷蔵庫やエアコン等に、二酸化炭素と比較して高い地球温暖化係数を示す代替フロンを用いたヒートパイプが用いられていることもあり、ノンフロン冷媒や代替えフロンを含まない断熱材など、地球温暖化対策を施した製品の開発が進められている。
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