株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【住宅】21年12月

【業界アウトライン】
国土交通省の建築着工統計調査報告(令和2年度計)によると、2020年度の新設住宅着工戸数は812,164戸(対前年度比91.9%)であった。前年度の消費増税後の反動減の影響に加え、コロナ禍の影響により市場規模は減少したとみられる。

木造住宅市場


※出典  将来予想:矢野経済研究所

    ①と②:国土交通省 建築着工統計調査


市場環境

・国土交通省の建築着工統計調査(令和2年度計)によると、2020年度の木造住宅市場規模は着工数ベースで467,339戸(対前年度比91.0%)であった。
・新設住宅着工戸数の減少に伴い、市場規模は縮小する傾向にあるものの、木造住宅を好む日本人の文化的背景や住宅の性能向上などを背景に、持家の木造比率(持家全体に占める木造持家の比率)は87.8%(対前年度比1.0ポイントアップ)であった。

業界動向/事業者動向

・同市場は、人口や世帯数の減少のほか、新型コロナウイルス感染症の継続による市場規模の縮小が懸念されることから、今後は脱炭素社会に向けた住宅施策などの住宅取得に伴う支援策が期待される。
・その一方で、ウッドショックにみられるような木材価格の上昇や輸入材の不足から、工期の遅れや着工コストの上昇が懸念される。また、テレワークの拡大から地方への移住がトレンドとなりつつあるものの、テレワーク推奨事業者の減少から地方移住の動きは落ち着くとみられ、持家に関しては大都市の狭小地での戸建て需要が高まると見込まれる。

住宅リフォーム市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年の住宅リフォーム市場規模は、6兆5,298億円(対前年比100.0%)と見込まれる。
・同市場は、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による外出自粛により、一定の経済活動の自由が制限される中において、おうち時間やおうち空間の充実を求めて住空間関連支出が増加するなど、家計支出の住宅修繕関連の支出が堅調であることから、底堅い需要があったと見込まれる。

業界動向/事業者動向

・増改築市場は、小世帯化の進行に伴う増改築ニーズの減少により低迷しているその一方で、設備修繕・維持関連分野や家具・インテリア(追加・取替)関連分野は市場が拡大する傾向にある。特に、コロナ禍においては、家具・インテリア関連分野は、外出自粛によるおうち時間の増加を背景に、自身の住居空間の充実を求めて、住空間関連支出が増加している。
・そのほか、床面積の増減を伴わない、インフィル部を改装するなどの大規模リフォームや、中古住宅の売買に伴うリノベーション需要も増加する傾向にある。

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