株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【ICT】21年9月

【業界アウトライン】
総務省の令和3年版情報通信白書によると、コロナ禍により「新しい生活様式」の定着が進み、オンラインサービスの利用が進んだことなどの追い風を受けた業種と、移動の制限などの影響により低迷する業種への二極化が進んでいる。

生命保険業界におけるInsurTech市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・InsurTechとは、Insurance(保険)とTechnology(テクノロジー)から成る造語である。

・2020年度の国内InsurTech市場規模は売上高ベースで1,290億円(対前年度比141.8%)と見込まれる。

・外部環境として、法的な側面や支援環境的な側面、技術的な側面についてポジティブな動きが強くなってきている。

業界動向/事業者動向

・健康増進型保険を筆頭に新しい保険の盛り上がりに加え、コロナ禍に伴い、特に生命保険会社各社は業務の効率化・高度化を推進、市場規模の多くを占める。具体的には非対面チャネルの強化を含めた営業活動の高度化や契約時や給付金請求時における事務手続きの自動化などが急速に進んでいる。
・クラウド化や外部連携に向けた公益財団法人金融情報システムセンター(FISC)のシステム基準や金融庁による支援環境が整うなか、大手生命保険会社を中心に基幹システムのクラウド化をはじめ、DXに向けた基盤の構築が進み始めており、今後、より一層、スタートアップなどとの協業が進むとみる。

データ分析関連人材市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・データサイエンティストとは、「データセットの探索からクレンジング、Pythonなどのプログラミング言語を用いた分析に基づくモデルの開発やレポーティング、効果検証などを行う能力を持った人材」を指す。

・ITベンダーを中心に高度な能力を持った人材の確保が奏功したことで、2020年度のデータ分析関連人材は国内人数ベースで、8万9,800人(対前年度比122.7%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・データ関連人材を取り巻く環境は、産業データやパーソナルデータの活用に向けた法律の整備や、データサイエンス学部などの設置をはじめ、人材の輩出に向けた教育面での施策の打ち出し(大学の教育改革や小中高における新たな教育指針の打ち出し)などが進んでおり、短期、中長期的な支援環境が整ってきている。
・ITベンダーはデータ分析案件の増加への対応に向けて、一方、ユーザー企業はDXやデータドリブンカルチャーの全社的な推進に向けて、双方ともに引き続き人員体制を拡充していくとみる。

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