株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【教育】21年9月

【業界アウトライン】
教育産業市場は、少子化の進行によって、需要層の減少で厳しい環境にある中、教育サービスに対する底堅い需要に支えられ、当該市場は緩やかな拡大を続けてきたが、2020年度はコロナ禍の影響で、市場は減少したものと見られる。

語学独習用機器・教材市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・語学独習用機器・教材市場は、大人を対象とした、ビデオ、DVD、CD、テキスト、語学専用学習ハード等から構成される語学教材「セット」を対象としている。なお、セット教材を単品販売しているものについては市場に算入していない。

・2020年度の語学独習用機器・教材市場規模は、125億円(対前年度比86.2%)と見込まれる。

・2021年度の市場規模は120億円(対前年度比96.0%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・近年は、スマホによる英語教育などが隆盛となっている。他方、ビデオ、DVD、CDを媒体としたソフトウェアについては撤退もしくは実質的に販売を停止しているソフトウェアなども増えてきており、市場はダウントレンドで推移している。
・今後は、シニア層の取り込み、アプリ版の開発によりスマートフォンやタブレットPCとの連動による利便性の強化、アフターフォローの充実による継続率の向上、法人需要の開拓などが市場活性化のカギになるものと考えられる。

ネットワーク・ラーニングサービス(BtoC)市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度のネットワーク・ラーニングサービス(BtoC)市場規模は、2,035億円(対前年度比121.9%)と見込まれる。
・同市場では、コロナ禍の影響による遠隔教育の必要性の高まりから、結果としてユーザー数が増加し、市場が拡大していると見られる。
・2021年度の市場規模は、2,175億円(対前年度比106.9%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、構成する概ね全ての学習ジャンル(教科学習、語学など)が市場拡大を果たしたものとみられ、個人の学習形態の一つとして、ネットワーク・ラーニングサービスが一般化する環境がさらに加速化している。
・他方、学習塾等では、オンライン授業の導入が活発化したものの、対面授業再開後は対面による指導を選択する生徒の割合が圧倒する状況にあり、生徒のモチベーションの維持・向上、オンライン授業に適した指導方法の確立などといったオンラインの課題も表面化している。


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