株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【食品】21年9月

【業界アウトライン】
農林水産省の食品産業動態調査によると、2020年の飲食料品の小売業販売額は、45兆1,450億円(前年比99.5%)であった。主要3業態では、スーパーマーケットは増加傾向にあるが、百貨店、コンビニエンスストアは減少傾向にある。

食品D2Cサービス市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年度の食品D2Cサービス市場規模は、340億円(対前年度比158.1%)と見込まれる。

・同市場は、まだ立ち上がったばかりであるが、製造・販売体制が固まってきたことで、本格的な顧客獲得のフェーズに入り市場が拡大しているものと見られる。

・今後も大手企業を含め新規参入が増えてくることなどから、当面は成長が続くと見られる。

業界動向/事業者動向

・食品D2Cとは、自社で開発・製造(OEM含む)した商品を、消費者との繋がりを重視し、自社のオンラインサイトを中心に直接消費者に販売するモデルを指す。
・オンラインでの販売が主流であるが、常設店やポップアップ店舗の出店など消費者の体験の場をオフラインに求める動きも出てきており、オンラインとオフラインをシームレスにつなぐオムニチャネル戦略がトレンドの一つとなってきている。

和風惣菜市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度の和風惣菜市場規模は、2兆1,950億円(対前年度比96.5%)と見込まれる。
・同市場は、2020年度こそマイナスで推移したものの、近年の市場規模は消費者の健康志向の高まりを受け、好調に推移してきた。
・今後は、底堅い需要が継続し復調傾向で推移する見通しであり、2021年度の市場規模は、2兆2,279億円(対前年度比101.5%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・和風惣菜の売れ筋は、いわゆる日常の食卓にのぼる定番商品が中心であり、惣菜(中食)企業の安定した売上の柱になっていると見られる。新商品開発においては、季節感や地域特性、地産地消等の要素が加味され、年齢や性別も考慮されることで、消費者に飽きられないメニュー作りが展開されている。
・出来立てを提供するためには、店内調理が採用されるため、出店検討時には調理スペースの確保が課題となる。特に新しいオフィスビルや商業ビルでは、調理スペースがネックとなるケースが見受けられるが、そうした場合でも、調理環境を工夫しクオリティを保つことが求められる。

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