株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【医療】21年9月

【業界アウトライン】
厚生労働省の「令和2年社会医療診療行為別統計の概況」によると、医科の入院における1件当たり点数は57,074.2点で、前年に比べ5.3%増加している。一方で、1日当たり点数は3,446.6点で、前年に比べ2.3%減少している。

血液分析装置市場


※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年の国内血液分析装置市場規模は569億2,000万円(対前年比99.1%)と見込まれる。

・2020年の同市場は、コロナ禍の影響で重症度判定の検査などで需要の拡大が期待されたものの、患者数の減少による検査需要の低下や医療機関への訪問控えによる営業機会の損失などから、市場規模は微減したと見られる。

・2021年の市場規模は563億3,000万円(対前年比99.0%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・国内市場の伸長が限定的であることを背景に、国内メーカーは海外への拡販に注力する動向が見られる。近年は、人口が一定数存在し、経済発展が進んでいる中国やインドといったアジア地域に対して、各社拡販を進めている。
・同市場は、全体的に買い替え需要が中心となっており、大幅な売上伸長が難しい市場となっている。また、複合機種が増加し、装置間の分類がますます困難となり、各メーカーでプロモーションの方法を模索している。

がん関連遺伝子検査市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度のがん関連遺伝子検査市場規模は86億5,000万円(対前年度比168.6%)と見込まれる。
・同市場は、これまでコンパニオン診断薬を中心に展開され、2019年のがん遺伝子パネル検査が保険適用となったことを契機に市場の伸長が加速している。コロナ禍により臨床検査需要の低下が見られたものの、がん領域での影響は軽微と見られる。
・2021年度の市場規模は133億5,000万円(対前年度比154.3%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・がんは、1981年から国内の死亡原因の第一位となっている。がん罹患率も増加傾向にあり、日本人の2人に1人が生涯でがんに罹患するといわれており、がんの早期発見・早期治療のための取り組みが国策として進められている。
・がんゲノム医療は、社会実装に向けて体制整備が進められている。がん遺伝子パネル検査の実用化とともに次世代シーケンサを用いたクリニカルシーケンスの動きが活発化している。

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