株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【住宅設備機器】21年9月

【業界アウトライン】
2020年度の主要住宅設備機器市場は、1兆7,011億円(対前年度比90.6%)であった。前年度の消費増税後の反動減の継続に加え、コロナ禍による影響により市場規模は減少したと見られる。

蛇口一体型浄水器市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2019年度の蛇口一体型浄水器市場規模は、67億6,800万円(対前年度比97.1%)と見込まれる。

・同市場は、出荷金額及び出荷台数共に減少傾向が続いている。新規設置戸数の増大を望むことが難しい中、各社は定期契約者数を伸ばす方向で事業展開を行っている。

・2020年度の市場規模は、60億8,600万億円(対前年度比89.9%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は減少傾向が続いているが、新築住宅市場を中心に住宅の標準仕様として採用されるケースは多くなっている。
・一体型浄水器参入事業者の多くがカートリッジ交換の定期契約を軸に事業を展開しており、既存ユーザーの継続した長期利用を促進するほか、現在未契約の設置住戸における新規定期契約の獲得により、ユーザー層の拡大を図っている。加えて、リフォーム市場における存在価値を高め、既存住宅市場における新規ユーザーの獲得に向けた動きも加速するものと見られる。

ビルトイン型浄水器市場


※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2019年度のビルトイン型浄水器市場規模は、68億1,600万円(対前年度比95.8%)と見込まれる。

・同市場は、出荷金額及び出荷台数共に減少基調での推移となっている。カートリッジの形状のスリム化など、キッチンの収納スペースの確保にも寄与しており、住設機器としての機能面の強化が拡大へ向けた課題となる。

・2020年度の市場規模は、64億9,800万円(対前年度比95.3%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・各社は、新築住宅市場を中心に市場拡大を進めている。昨今のトレンドとして、電装仕様の新機種が開発されている。交換時期の目安を知らせる機能の他、タッチレス水栓機能を搭載するなど、コロナ禍で求められる非接触のニーズにもマッチしている。
・キッチンは自分らしさを表現する生活空間であるため、選択自由度の高さは注目される。消費者が実践しているライフスタイルは多様化しており、その多様性をニーズとして捉え、新しい発想を付加価値として提案することが求められている。

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