株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【機械】21年6月

【業界アウトライン】
経済産業省の2020年工業統計速報によると、2019年の製造品出荷額等は332兆1,260億円(対前年比97.1%)、付加価値額は100兆650億円(対前年比95.9%)であった。

UPS(無停電電源装置)市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年度のUPS市場規模は707億1,500万円(対前年度比93.1%)と見込まれる。

・2020年度は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、ユーザーがUPSの更新を控える動きなども見受けられ、市場規模は縮小した。

・その一方で、延期されたUPSの更新需要が今後顕在化すると見込まれ、2021年度の市場規模は741億7,000万円(対前年度比104.9%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、主に100kVA以上帯のデータセンター向け需要が拡大する傾向にある。その一方で、99kVA以下帯では、現状は需要の拡大は見受けられないものの、今後はIoTや5Gの普及によるデバイスへの搭載やエッジデータセンターでの採用が増加すると見込まれる。
・そのほか、海外事業者が国内事業者よりも低価格な製品を展開する動きも見受けられる。そのため、今後は価格競争力の勝る海外事業者に対抗するためにUPSの低価格化が求められるほか、従来の  UPSの品質を維持しつつ電源にLiBを採用するなど、機能面の差別化が求められる。

非破壊検査市場

※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度の非破壊検査国内市場規模(受託業務市場と装置・機器市場で構成)は2,177億円(対前年度比92.6%)と見込まれる。
・新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から市場の成長は鈍化するものの、検査をしなければ工場の稼働停止や不具合が発生する可能性が高いことから、今後は検査需要が回復すると見込まれる。このため、2021年度の国内市場規模は2,274億円(対前年度比104.5%)に回復すると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・近年、インフラ設備や石油・化学プラントにおける点検内容の規制緩和により、ドローンなどの新規検査装置や機器による検査が認められた。これにより、従来からの検査原理や手法と新規装置や機器との組み合わせが可能になり、点検業務の負担軽減が見込まれる。
・しかしながら、新規装置と従来からの検査原理や手法の組み合わせによる検査は、運用面の課題が顕在化しておらず、規格化または標準化されていない検査手法による検査結果の信頼性を、どのように誰が担保をするのかといった課題もある。

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