株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【娯楽】21年6月

【業界アウトライン】
総務省の家計調査によると、2020年の教養娯楽に関する一世帯あたりの年間消費支出は対前年比81.1%の26万1,771円となった。2000年代は35万円前後で、横ばいに推移していたが、2011年の急落以降は減少トレンドとなっている。

鉄道模型市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年度の鉄道模型市場規模は国内出荷額ベースで99億円(対前年度比94.3%)と見込まれる。

・ここでいう鉄道模型は、鉄道車両を一定の縮尺・軌間で再現した模型を指す。

・鉄道模型は模型の縮尺により規格が異なり、市場構成はNゲージ(縮尺1/150)が市場の80%程度、HOゲージ(縮尺1/87)が15%程度、残りがZゲージ(縮尺1/220)やそのほか規格である。

業界動向/事業者動向

・同市場への参入事業者は、海外や同人サークルに近い事業者まで含めると50社以上存在すると見込まれる。また、鉄道模型の規格により参入事業者数も異なり、市場構成比の大きいNゲージの分野への参入企業が最も多いと見込まれる。
・なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から、商品供給の遅れや、消費者需要が比較的価格帯の高い鉄道車両から、価格帯の低いレール・ストラクチャ(駅や家屋、車など鉄道ジオラマを構成する鉄道車両以外の模型)に移行したこともあり、市場規模は縮小する傾向にある。

プロレス関連市場

 ※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度のプロレス関連市場規模はユーザー消費金額ベースで130億円(対前年度比90.9%)と見込まれる。
・2019年度は、プロレス人気の継続により前年度を上回る興行数が開催されたことから観客動員数も増加したものの、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、プロレス興行の集客が見込めず、市場規模は縮小すると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・同市場は、従来は30代から50代の男性が顧客層の中心であったが、各事業者の新規ファン開拓に向けた取組みが奏功し、若年層や女性、子ども、訪日外国人などのファン層が増加する傾向にある。
・また、近年は、地上波テレビによる放送が減少する中で、事業者の中には、インターネットを活用した情報発信や動画配信により認知度を高めることで、集客の向上を図る動きが見受けられる。
・そのほか、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響から興行で得られる売上が減少したものの、興行を動画コンテンツで有料配信を行うなど、売上の回復を図る動きも見受けられる。

プロフィール

InfoLounge編集部

SMBCビジネスクラブ「InfoLounge(インフォラウンジ)」は、企業経営や人材育成、法務、労務などの領域で、実務に今すぐ役立つ情報をお届けするコミュニティサイトです。著名人へのインタビュー記事や注目企業への取材レポートのほか、実務支援コンテンツ、動画、セミナー・お役立ち資料など、盛りだくさんの内容で様々な情報をお届けします。

受付中のセミナー・資料ダウンロード・アンケート