株式会社矢野経済研究所 提供 注目市場レポート【運輸・倉庫】21年6月

【業界アウトライン】
近年の物流業界における大きなトレンドは、「ロボット・IoT・AI」の活用による自動化・無人化の進行と、「ラストワンマイル輸送」「小口の緊急配送」の需要量増加に伴う周辺ビジネスが挙げられる。

軽貨物輸送・バイク便輸送市場

※出典  矢野経済研究所


市場環境

・2020年度の軽貨物輸送市場規模は2,700億円(対前年度比108.0%)、バイク便輸送市場規模は250億円(104.2%)と見込まれる。

・同市場は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により通販・在宅需要の増加が見込まれているほか、新型コロナウイルスのワクチン輸送の担い手としても期待がされており、今後も市場規模は拡大すると見込まれる。

業界動向/事業者動向

・軽貨物輸送は、1970年代に物流業界の小口貨物需要の増加に伴い誕生した輸送サービスである。近年は、大手通販事業者や外食産業の宅配などの貨物が増加する傾向にあり、この需要に対応するため大手、中堅事業者が軽貨物輸送市場に参入することにより市場規模が拡大した。
・バイク便輸送は、1980年代に即日・即時対応などの緊急配送の需要増加により誕生した輸送サービスである。近年は、電子メールの発達により書類配達の需要が大幅に減少しているものの、検体や医薬品などの特殊領域における最速の輸送手段の一つとして定着をしている。

引越市場

※出典  矢野経済研究所

市場環境

・2020年度の引越市場規模は4,100億円(対前年度比100.0%)と見込まれる。
・同市場は、人口の減少や宅配便等の利用による引越の簡易化などによる一般消費者向け引越需要の減少や、法人における引越の小口化の進展により、市場規模は縮小する傾向にある。
・2021年度の市場規模は4,000億円(対前年度比97.6%)と見込まれる。

業界動向/事業者動向

・引越事業は、輸送トラックと資材、人材、ノウハウによって開業できる事業であり、比較的参入障壁が低いことから、大手から中小まで様々な規模の事業者が参入している。特に、個人向け引越の場合は小規模事業者でも実施が可能なため、ベンチャー企業などの参入も見受けられる。
・その一方で、市場競争の激化に伴い、専門ノウハウを持つ大手引越事業者のシェア拡大が顕著であるほか、事業者の中には、個人向け引越の顧客獲得を目的に、ハウスメーカーやマンションデベロッパーなどの住宅関連業者との協業を検討する動きも見受けられる。

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